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2021/04/06

経験から学ぶ
筆者:石黒太一
 

体験・経験したことをどのように次に活かしていくか。やりっぱなしにして忘れてしまうのと、経験したことから学ぶのでは、成長のスピードが全く違います。本や研修で学ぶこととは違い、自分が実際に経験していることですから腹落ちもしやすいものです。
 
デービッド・コルブ(組織行動学者)が提唱した「経験学習モデル」では、「経験→省察(内省)→概念化→実践」というプロセスを回していくことで経験から学習することができるとされています。この経験学習を自分自身での学びとして、また部下・メンバーとのコミュニケーションの中でも活用することで次なる行動につなげていくことができます。
 
初めてお客様からご注文をいただくことができたときを想定してみます。よくあるのは、初めてご注文いただけたことに喜んで、終わってしまうことです。どのように学びに変えていくかを見ていきます。まず、どうしてもお客様はご注文いただけたのかを振り返ってみます。なぜお決めいただけたのでしょうか。理由は一つだけではないと思います。ですが、その中でもこれはというものを選んでみると、「お客様のやりとりの過程の中で、お客様に寄り添い、お困りごとを詳しくお聞きすることができた」ということがあったとします。自分と向き合って見るとなぜ、どうやって、何をしたのかなど振り返ると気づきがあります。これが省察(内省)です。そうしたら、「お客様のお困りごとに寄り添う」という自分の中での成功法則にします。具体的な出来事から繰り返し実践できるように概念化していきます。ここまでできたら、次に何をするかを自ら決めて実践していくのです。ただ、結果を喜ぶのではなくどうやって自分のものにしていくのかということ大切なのです。
 
経験学習は様々な場面で使うことができます。外からの学びではなく、自分の行動・経験から学ぶことができますので、毎日なにかの学びがあります。日々内省を繰り返し、明日は何を自分は実践するのかと決めるサイクルを作っていければ、あらゆることが自分を成長させるためのことであることに気づくことができます。そして、部下・メンバーと対話や面談をするときも、このプロセスを一緒に確認してくことで、自信をつけるサポートもできます。

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