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2021/05/02

完璧を目指すとスピードが落ちる
筆者:石黒太一
 

こだわりを持つことと、完璧を目指すことは似て非なるものだと考えています。エントリーシートを完璧に仕上げたいと考えたとして、その完璧とはどのような状態でしょうか。何度も推敲し、たくさんの人に添削をしてもらい、もう直しようのない状態にするということがそもそも可能でしょうか。例え、自分が完璧だと思って提出したとしても100%通過するとは限らないのです。こだわりを持つというのは、「提出期限ギリギリではなく、すぐに出す」「丁寧に書くこと」「1社1社考え書く」などこれだけは自分は外さないという基準であると言えます。基準を高く持つことは大切なことです。しかし、完璧は無限に高い基準になってしまいます。時間が無限にあるのであれば完璧にこだわることも良いかもしれませんが、限られた時間の中で結果を出していくのであれば、完璧にとらわれているとスピードが落ちていきます。
 
仕事においても同じことです。お客様に依頼されたことを完璧にして1週間後に提出するのか、まず一番のお困りごとだけでも1時間後に提出するかでは信頼が違います。法人営業などで常に多くの案件を持っていると、緊急性の高い案件で忙殺され、今すぐではない案件が後回しになってしまうことがあります。そうすると、その話っていつ商談しましたか?ぐらいのスピード感で提案することになり、すでに他社決定しているし、提案も出てこないということで信頼を失ってしまいます。常に相手に合わせることというよりも、スピードにこだわってみると、忙しい中でも信頼を積み重ねていくことができます。面接を受けたのに合否の連絡が1週間、2週間経っても全くないというときに、「あ、落ちたわ」と思って気持ちが下がっていくのと同じことです。
 
居酒屋でファーストドリンクの提供時間にこだわっているお店があります。想像するとわかりますよね。席に案内され、最初のオーダーをしたのに10分何も提供されなかったら、もう存在を忘れたのかぐらいの気持ちになります。早ければいいというわけではありませんが、最初の印象はとても大切です。ビールの泡とのバランスが完璧にするために10分時間をかけるか、まずは提供スピードにこだわかるか。どちらがお客様に喜ばれるでしょうか。こだわりの中で基準を高めていけばいいと思っています。80点を自分の基準にしていたら次は85点にしようと改善をしていくことでもっと喜ばれるようになります。

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