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2021/05/03

改善は終わらない
筆者:石黒太一
 

PDCAを回し改善を続けることが大切であることは、なんとなくはわかっているもが、実際その改善したことがどうつながっていくのかわからず、物の置き場所を変えて模様変えをしたことを改善したように錯覚していることがあります。トヨタ自動車で製造の方が次のように言ってたことが改善の本質であると考えています。「改善を繰り返すと人が余ってきます。その余った人に次の仕事をしてもらいます。」トヨタ生産方式によって改善の指導をされている方からも同様に「現場で改善をすると、4人でやっていたことが3人できるようになります。」とお聞きしたことがあります。改善は決して人員削減のためにやっているわけではなく、作業工程を見直して生産性を高めることで、少ない人数で今までと同じことができるようにするためにやっています。改善によって、ムダを減らしていくことがその本質であり、限りある資源を再投資することが可能になります。
 
私たちが平等に持っているものは時間です。1日24時間、1日1440分は小学生でも社会人でも同じ時間を持っています。この時間をいかに活用するのかによっては人生は変わってきます。改善は仕事だけに限りません。むしろ普段の生活の中で改善できることは山ほどあるのではないでしょうか。「忙しくて本を読むを時間がないんです。」という声を耳にすることがあります。本1冊を読むのに人によって違いますが、数時間は必要だとします。1日の中で数時間を塊で確保するというのは確かに大変かもしれません。しかし、生活の中でムダにしている時間ってないでしょうか。例えば、無意識にスマホを手にとってSNSをチェックしたりする時間は1日どれぐらいあるかカウントしたことはありますか。SNSを使うことが悪いわけではありませんが、無意識にInstagramやTwitterで時間を溶かしていませんか。塵も積もるぐらい、スマホで消費している時間は山のようにあるように思います。かといってスマホもSNSも見ないようにすると決めたところで、自分で決めた禁止事項ほどすぐに忘れるものはありません。例えば、1日5分だけ本を読む時間を決めておく。Kindleに毎月1冊は読む本を入れておく。このような習慣からムダな時間の改善をすることもできますし、本を手元に持ってくるという時間がムダだとしたら、家で座る場所に常に本を置いておくこともできます。
 
改善に必要なことは実際にやってみて成果が出るかどうかを繰り返し検証し続けることです。一度やったからそれがうまくいくとは限りません。やり続ける中で最も成果が出ることを見つけ出します。逆に考えれば、最初は適当にやってみることです。できるかな、どうかなで時間を使って思い悩むよりも、やってみて失敗しながらより良い方法を探す方がずっと成功確率は高まっていきます。1度失敗しぐらいでめげていてはいけません。うまくいくまでやれば、失敗は学びでしかありません。

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