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2021/06/08

ドリルを買う人が欲しいのは穴である
筆者:石黒太一
 

「ドリルを購入する人が欲しいのは1/4インチ・ドリルではない。欲しいのは1/4インチの穴だ」
セオドア・レビット博士著書『マーケティング発想法』に書かれている有名な言葉です。目的は何であるか。なぜ、何のため、で考えると本当に求めていることが理解でき、手段は無限に広がってきます。
 
ホームセンターでドリルを探しているお客様がいて、あなたが店員だったとします。お客様から電動ドリルがほしいんだけどどれがおすすめですか?と聞かれます。もし目的を聞かずに売れ筋商品や新商品だけをおすすめしてもお客様にとって課題解決にはないっていないことがあります。お客様はお子さんの夏休みの自由研究でペットボトルに穴が開けたいだけだったのかもしれません。もしくは、業務用で工事現場で穴を開けるために使いたいのかもしれません。同じ「穴」だとしてもその目的によって手段は変わってきますし、もしかしたら数百円で購入できる千枚通しのほうが良かったりする場合もあります。上記の言葉はマーケティングだけに限らず、目的をよく理解することは仕事で成果を出すために重要なことです。
 
あなたは何を期待されているのでしょうか。普段の仕事でも、就職活動でも大切な問いです。成果を出している人は、自分の役割を理解しています。しかし、なかなか成果がでないと悩んでいる人は期待や役割を理解しないで、自分の満足ためのやっていることがあります。例えば、面接ではその方の人柄や同じ職場で一緒に働くことができるかを確認しています。まずはそこを期待していると考えると、面接を攻略するとか、面接で勝つといったことは少しずれていることが分かります。仕事においても、資料をまとめるという業務があったとして、その資料を何に使うのか、なぜ自分にこの仕事を任せてもらえたのかを理解することで、やり方が変わってきます。作業をしていては成果にはつながらないのです。
 
ドリルの穴に戻りますが、エントリーシートを提出するという選考課題に対して、企業は何を求めているのでしょうか。キラキラしたガクチカでしょうか。上手なイラストや目立つデザインでしょうか。就活テクニックでさまざま手段の例を見かけることがありますが、相手が求めていることから考えると全く違った出来栄えになることもあります。書類選考がなかなか通らないということで悩むときは、なぜ書類選考があるのか、何のための書類なのかを理解する努力も必要です。一方的に学生時代に力を入れたことを伝えたとしても、必ずしもそれを期待しているとは限りません。
 
どんな場面においても相手がなぜそれを求めているのか、何のためであるかを起点にすることが大切です。
 

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