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2021/08/08

自分を制限している思い込みは捨てる
筆者:石黒太一
 

思い込みは誰にでもあります。思い込みがあることで楽な時もあれば、逆に苦しい時もあります。自動車で慣れた道を走る時は、道の混み具合や周囲の様子など見慣れているのでリラックスして運転できます。その反面、安全だと思い込んでいることからの事故やトラブルと起こしかねないのです。この道ではスピード違反の取り締まりはやっていないと思い込んで気を抜いていると、スピード超過で止められてしまうこともあります。
 
思い込みを必ずしも捨てなければいけない、とは思いません。立ったり歩いたりと無意識にやっていることも思い込みだと思いますので、こういう点では大切な力です。しかし、自分の可能性を抑えてしまっている思い込みは取り払ってしまうことが大切です。例えば、留学に行くと国内では当たり前のコミュニケーションも通じずに、自分の殻を破ることを迫られることがあります。授業で先生に当てられることを待っていたものが、自分で手を挙げて発言しないと、そもそも授業についていけない体験もその例です。
 
思い込みを捨てるきっかけは、場所を変える、コミュニティを変える、生活の時間を変えることです。大前研一さんの「人間が変わる3つの方法」と同じ考え方ですが、場所と人と時間を今の当たり前から変えてみることです。留学はまさにその典型的なものです。また、学生から社会人になる時も同じことが起きます。それでも慣れてくると固定化し、自分の当たり前が普通になってしまうのです。最近は人に会うということがなかなかできない中で、オンラインでのコミュニティや交流に積極的に参加することもできます。普段から会話する人が固定化してるなら余計に必要なことかもしれません。違う考えや経験、職業や地域の異なる人と話をすることで、自分が当たり前にしてることがガラッと変わることがあります。誰に強制されなくても自然と変化していくのです。
 
同じコミュニティや同じ価値観の中で生活することは楽です。ですがそれだけでは硬直化します。大河ドラマでも幕末から明治にかけて活躍した渋沢栄一のストーリーを描いていますが、鎖国によって海外との関わりを制限し続けたことで、突然現れた外国人は敵であるという思い込みが生まれたりしました。しかし、パリに出向いた渋沢栄一は海外の経済の仕組みや文化を目の当たりにして当たり前だったことがガラッと崩れ落ちていきます。一時は、尊王攘夷を掲げて外国は敵だと思っていたにも変わらず、むしろその文化に感銘を受けるほどに変容したのです。
 
この1、2年は明治維新までではありませんが、私たちの価値観も大きく変化しました。あんなに進まなかったリモートワークやオンライン会議が当たり前になりました。変化で負荷を感じることもあるかもしれません。しかし、変わることをまず受け入れてみることで自分の思い込みを変えるきっかけになります。幕末にパリに行った水戸藩士が洋式の身なりに変えるため、髷を落とす時にまるで切腹するかのような場面がドラマで描かれていました。今の私たちから見ればそこまで大袈裟なことかと思うことも、当時において大変な出来事だったのでしょう。それぐらい、今も時代は変化し続けています。だからこそ、自分を制限している思い込みは捨て、自分の可能性を切り拓いていきたいものです。

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