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2021/08/09

やり方はひとつだけではない
筆者:石黒太一
 

休みの日に自宅にいると、ピンポーンとインターホンが鳴ったので出てみると「クリームパンを売っているものです。もしよければいかがでしょうか。」という男性でした。その時は必要なかったので断りましたが、果たしてこの売り方は成果が出るのでしょうか。
 
クリームパンの訪問販売。あなたはこの売り方で売れると思いますか。もしかしたら、パンはお店で買うものであって、一軒一軒売りに歩いても怪しまれて売れないと思うかもしれません。しかし、この推測が正しいかどうかは、結果を見てみないとわかりません。ただ言えることは、先入観を初めから持ってはいけないということです。もし自分がパンを売る立場だったら何を考えるかです。この販売をする人にとっては今日中に売り切りたい商品があり、さらに天候はあまり良くない。お客様が来るのを待っていたら売れそうにない。だったら近隣を訪問して回ってみるということがひとつのアイデアだったのだと思います。もちろん、何軒も回って全く売れないのであれば、さらに考えていく必要がありますが、1軒でも話を聞いてもらえるようなら、これを糸口にさらに改善を進めていくことで結果につながっていきます。
 
普段、「常識的なやり方」にとらわれすぎて八方塞がりになっていることはありませんか。就職活動を見ているとこれをやってはいけないだろうという先入観が多いように思います。例えば、説明会などの人数制限があるもので希望している日程が埋まってしまっていたとします。もう空きがないから別の日程が出るまで待とうなのか、一度電話やメールで連絡して参加できないかを聞いてみようなのかで大きく違います。どうしても希望していた企業の選考で不合格の連絡が来たので諦めるのか、もう一度チャンスがもらえないかを連絡してみる、と考えるかでも可能性は広がります。空気を読み過ぎて正しい答えを考える習慣が身に付いていると、常識的なやり方から抜け出せなくなります。しかし、社会人になればそんなことは言ってられません。常識だけで行動していたら新しいアイデアも出てきませんし、困難な局面からの突破もできません。先の読めない時代に過去の常識で判断する習慣は、時に自分の成長を止めてしまうことにもなりかねないのです。
 
こんなこと言ったら変に思われるのではないか、と誰かの顔色を見たり、周囲の評価を気にするというのは誰でも経験することです。それが大切な時もあったかもしれません。学校の授業が予定通り進むためにはある程度、常識的な範囲で進行していかないとキリが無いということだったのかもしれません。しかし、社会はそれだけでは前進していかないこともあります。自分の信念を持って取り組むと、空気を読めない人になっていることもあります。歴史を作ってきた人たちの人生を見ると多くの人は、どこかで周囲の反対を押し切ってでも信念を貫き通している場面があります。今のやり方にこだわることなく、時には自分を信じて行動していくことが新しい道を切り開いていきます。

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