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2021/10/14

相手が理解しやすい方法で伝える
筆者:石黒太一
 

同じ話をしているのに、人によって伝わり方が違うことはありませんか。脳にも「利き」があります。わかりやすい区分だと、抽象と具体があります。鳥の目で俯瞰しているのか、虫の目で細部を見ているかの違いです。新しい取り組みを検討しているときに、目的を明確にすることで、全体像を掴むことを好む場合と、何をするのかのやり方から考えていくことを望む場合があります。議論はまず目的からじゃないのかと考えるのは当然ですが、得意不得意があることを理解しておきたいのです。仕事をしてくなかで、目的・目標から押さえず、手段の検討だけでは先に進みません。何かうまく前進していかないと感じる場合は、自分の得意な脳の使い方だけをしているのではないかと考えてみることが必要です。
 
自分の利き手と反対で文字を書くことは、少し大変ですが、できなくはないです。練習して慣れていけばできるようになります。これと同じように自分の利きを理解しておくと、意識をすることができます。普段から俯瞰して話をしているのであれば、「で、具体的に何をするのか?」ということを相手は疑問に持ちます。逆に、具体を中心に話をしているのであれば、「そもそもその目的は何だったけ?」ということを相手は考えます。なぜやるのか、何をやるのか、どうやってやるのか。伝えるフレームをうまく使うことで、補うことができます。
 
自分の当たり前は相手にとっては当たり前ではない。コミュニケーションですれ違いが生まれたり、誤解が発生するのは、自分がわかっていることは、相手もわかっているという思い込みがあります。「北斗の拳」というアニメがありました。私の世代であれば当たり前のように知っていますが、20代前半の方が知っているとは限りません。知らない人に「ケンシロウが・・・」といった例えで話したところでキョトンします。だったら、鬼滅の刃を題材に話をしたほうが圧倒的に伝わります。相手にどう伝えるのかは、相手の頭の中に自分と同じ絵を描くことです。お互いに別々のイメージを持っていたら、すれ違うのも当たり前です。
 
自分の強みや個性を理解すると共に、相手の強みや個性を尊重することです。自分を押し付けても何も変わりません。「あー、また言ってるよ」となるだけです。1対1のコミュニケーションは伝わるが、1対多だと伝わりにくいというのは、ひとそれぞれ受け取る情報が違うからです。まずは、この事実を知っておくことから始めると、コミュニケーションの方法も変わってきます。

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