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2021/10/18

自分が提供するベネフィットは何か
筆者:石黒太一
 

あなたはなぜコーヒーを飲みますか。コーヒーが苦手な人は自分の好きな飲物で考えてください。コーヒーがあなたにもたらすものは何でしょうか。例えば、作業の途中でコーヒーを飲むことによって、気持ちを切り替える事ができる。集中力が落ちてきたときに、カフェインで目を覚ませる。コーヒーの香りそのものが好きで、リラックスができる。同じコーヒーでも得たいものは人によっても異なります。だからこそ、様々な味や香り、飲み方の種類があるのだと思います。無意識に手にしている商品、サービスに自分は何を期待し、自分はどんなゴールを描いているのでしょうか。自分が提供するものは相手にどのようなベネフィットがあるのでしょうか。
 
同じコーヒーでもコンビニとスターバックスでは価格が違います。コーヒーそのものが違うということもあるかもしれませんが、価格言えば3~5倍ぐらいの差があります。この差をよく観察すると、私たちが何にお金を払っているのかがよくわかります。「場所」に絞って考えてみると、コンビニでもイートインスペースもありますが、スターバックスほど居心地がいいわけではありません。ちょっと仕事をしようと思った時、コンビニかスターバックスのどちらが快適かと考えると、大きな差があります。また、コンビニでコーヒーを買う時、アイスかホット、MかSかぐらいの会話しかしません。カップを渡されセルフでコーヒーをいれます。スターバックスに行けば、もちろん注文のサイズのことは聞かれますが、カップに入って提供されます。時にはちょっとした会話もすることがあります。ただコーヒーを買いたいだけであればコンビニの方が手軽で安いです。しかし、スターバックスが提供しているのは、コーヒーだけではなく、その空間やお客様への丁寧な接客かもしれません。何をお客様が得たいかを理解しないで、スターバックスがコンビニにおいてあるセルフのコーヒーメーカーを導入したら今と同じ価格で提供することができるでしょうか。相手が何を期待しているのか、何を得たいと思っているのかを常に考える必要があります。
 
自分は何にお金を払っているのかを分析してみるのも面白いです。携帯電話を大手キャリアから安いサービスに切り替えたとして、それで何も不自由がなければ、携帯やスマホで何がしたかったのかよくわかります。人によっては、通話ではなくLINEとSNSのためだったかもしれませんし、もしかしたら、ただ着信をうけるためだったかもしれません。何気なくやっていることでも、期待していることを分析したら、他の手段でも良かったということがあります。就職活動も対面ができなくなって急にオンライン化しましたが、それでも成り立っているとしたら、何を得るための対面だったのでしょうか。オンラインだけでは、不具合が起きているとしたら、対面がもたらすベネフィットとは何でしょうか。環境や手段が変わると見えてくることもあります。仕事をするということは、相手が期待していること、困っていることを商品やサービスによって解決することです。自分が扱う商品はお客様のどのようなお困り事に、役に立っているのかを深く知ることが大切です。

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