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2021/12/07

アウトプットで整理整頓
筆者:石黒太一
 

悩み事を誰かに聞いてもらっているのに、話をしていたら「はっ」と自分の中で解決したことありませんか。頭の中でぐるぐるしていると、なかなか解決しないことも、口に出して話をしてみたり、紙に書き出してみると解決の糸口が見えてくることがあります。アウトプットすることで、自分の考えや悩み、事実などを一旦外に出すことができます。外に出たものは客観的に見ることができ、俯瞰したり、整理整頓することで、絡み合っていたものがほどけていきます。
 
コーチングを受けたり、コーチングスキルのある方に1on1をしてもらうことも、自分のもやもやを解決する手段です。特に、コーチは教えるというよりも「答えは本人の中にある」を基本に、引き出することに重点をおきますので、とにかく様々な角度で聴きます。ここで大切なことは、依存的にならないということです。引き出されるはずの本人が誰かが答えを持っているという姿勢でいると、自分の中にあるものと向き合う事ができません。明確な答えはなくても、自分で考えていること、潜在的にこの行動をする必要があると感じているものから、導き出されるのですが、常に外に意識が向いていると「教えてほしい」から抜け出せなくなります。明確な答えや正解がある「問い」に慣れてしまっていると、自ら考えることを後回しにしてしまいます。答えを暗記して、出題者の意図に沿った回答をするというのは、学びの初期段階では良かったかもしれません。しかし、仕事をするなかで明確な答えというものはありません。だからこそ自分の中にある答えに気づいて、自分はどうしたいのかを知ることです。
 
他人に対しても同じことです。誰かが不安そうにしていたり、困っている時に答えを教えるのか、どうしたいのかを聴くのかでは大きく違います。自分が考える正解を教えたとしても、それは本人の中にある答えとは違うかもしれません。たまたま同じことを考えていて背中を押すことになる場合もありますが、答えを与え続けると、考えることをやめて次からも答えを求めに来てしまいます。その人はどうしたいと思っているのか、どのように考えているのかを聴くことで、実は不安だと思っていたことを話しながら解決していくこともできます。何かを考えているから、悩んでいますし、理想があるから現実とのギャップに困っているのです。本当はどうしたいのかはあるけど、壁があったり、自信がなかったり、やり方が分からないなど、分解していくと一步踏み出せるヒントが見つかります。
 
机の上に荷物がたくさんあると、仕事や作業をするスペースが狭くなります。パソコンもたくさんのアプリケーションを同時に立ち上げていたり、ブラウザを複数開けているとメモリの空き容量が少なくなって、動作が遅くなります。これらと同じように、もやもやをしていると、頭の中で考えるスペースも少なくなってきます。夕方に重要な会議があると、朝からソワソワして手に付かないというのは、ずっと頭の中の処理スペースを会議のことが占有しているからです。
生産性を高めたり、より創造的な仕事をするには、頭の中のスペースに余裕がないといけません。アウトプットは日々の生活をより豊かなものにしてくれます。

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