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2021/12/17

問いはWhyとHowを使い分ける
筆者:石黒太一
 

なぜこの仕事をしているのだろうかと、もやもやする時にその目的を知ると納得して取り組めるということがあります。伝える時はWhyから伝えることで、かなりのもやもやが解決に向かいます。やることだけを伝えても作業になってしまいますし、言われたことだけしかやらないと感じるのは、なぜやるのかを伝えていないからかもしれません。Whyで伝える習慣がつくと、口癖のように「なぜ」を使うようになります。しかし、注意しないといけない場面があります。それは、人に対して質問をする時です。「なぜ」を使うと、詰められているような感覚を与えてしまいます。なぜできなかったの?なぜやっていないの?などから会話が始まると、ぐっと刺さりますし、心が閉じていきます。「なぜを5回繰り返して本質を探す」というものがありますが、モノや事に対しては大切ですが、自分を含めた人に対して「なぜ」を繰り返すと苦しくなっていきます。
 
対話するときや、仕事がうまくいっていないことを聞くときはHowから始めることが大切です。「どうしたらできるかを考えてみよう」「どうやって進めていくかを考えてみよう」とどうしたらできるのかにフォーカスすることで、思考が未来に向いていきます。過ぎ去った過去をどれだけ「なぜなぜ」しても、その過去は変えることは出来ません。より良くしたい、前進したいと思っているのに、問い詰めてしまってはできていないことをただただ反省するだけになってしまいます。自分自身への問いかけも同じことです。仕事と育児の両立をするなかで、どちらも100%やりたいと思っているのに、そうなっていないと、「なぜ自分はできないのか」「なぜもっと子供のために時間を作れないのか」と思い悩んで負のスパイラルに入っていきます。どうしたらできるのか、どうやって時間を確保するのかなどに問いを変えてみると、アイデアが広がっていくことがよく分かります。仕事ができる人、ストイックな人ほど、自分に「なぜ」を聞いていることがあるように思います。
 
自分が今考えていることや、感じていることに、「なぜ自分がそう考えているのか」という問いかけをすることは、目的をつなぐことができます。将来に対するイメージを描く時に、「なぜそうしたいのだろうか」という質問をすることは、自分が大切にしていることを発見するために必要なことです。未来に向かっての「なぜ」は広がっていくアイデアや思考をピン留めするには良さそうですね。その上で、どうやってやっていくのか、何をしていくのかと思考していくことで、ビジョンが見ていきます。WhyとHowを使い分けることで、人とのコミュニケーション、自分との内省がより充実したいものになります。

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