MIRAI-ZINE

menu

2022/01/23

働くことについて考える(2)
筆者:石黒太一
 

個人で働くのか、就職をして働くのかという選択があります。
 
個人としてフリーランスで仕事をする方が増えているようにも感じます。ただ、ふと思うことがあります。かつて個人商店といったものが日本中のあらゆるところにありました。サザエさんでも多くの個人商店が登場します。魚屋さんや八百屋さんはわかりやすいですが、カツオの同級生の家は不動産屋さんですし、必要なものを必要なだけ届けてくれる三河屋さんもいます。(今でこそ、ネットスーパーいう販売形態がありますが、三河屋さんは必要なものがないかを聞きにくれて、即日配達をしてくれるという点では、現代のどのサービスよりも凌駕しています。)
 
サザエさんの時代背景は昭和を中心としていることから、そもそもフリーランスや個人事業で働くということは決して珍しいことではありませんでした。小売りで考えると、街の商店から大型スーパー、ショッピングモールへ変化していった時期があり、そして、今度は起業をして個人のネット販売をしていくという変化も起こりつつあります。
 
個人から組織、組織から個人と移り変わっているように思いますが、その中でも、組織で仕事をするということは主流ですし、会社・組織でなければできないこともあります。
 
 
たとえば、サザエさんに登場する三河屋さんが、世代交代をしてサブちゃん(いつも磯野家に御用聞きに来ています。実は店主の息子さんではなく、住み込みで働いている青年って知ってました?)がお店を引き継ぐことになったとします。
 
結婚して子供にも恵まれ、仕事も家庭も順調だった矢先、近所にセブンイレブンがオープンすることになったらどうでしょうか。もちろん、御用聞きという優位性があったとしても、ライバルは早朝から深夜まで営業をしています。最初は対抗して品揃えも増やし、営業時間も伸ばして挑戦しようとするかもしれません。サブちゃん1人ではできることに限りがあります。
 
かつて地元で親しまれた個人商店がコンビニに対抗しきれず、廃業をしたりコンビニに業態変更していったという事実もあります。環境が変わらなければ、今まで通りの営業もできますが、お客様のニーズもライバルもどんどん変化していく中では誰もが変化に直面します。
 
 
個人でできることの良さもありながら、会社や組織だからことできることも多くあります。個人商店に対しては優位だったかもしれないコンビニも大手のコンビニ同士が凌ぎを削っているように、チームでビジネスをすることの意味もあります。
 
競争だけではありません。チームでお互いの強みを活かしながら、より高いパフォーマンスを発揮するということもできます。アイドルや歌手などでも、グループで様々なタイプの人がいるからそれぞれにファンがついて、グループ全体のファンが増えるということもあります。
 
チームスポーツでも1人ひとりの力が、チームになることで足し算ではなく、掛け算になってパワーを発揮するということがあります。スター選手だけのチームが必ずしも常勝チームではないことからも明らかです。
 
どのようなものにもメリット・デメリットというものは必ずあります。一方の視点だけで考えると、思わぬ落とし穴を見過ごすことにもなりかねません。
 
チームや組織で働くこと、個人で働くことをあなたはどのように考えますか。

TAG :

RECOMMEND