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2021/02/22

部門別採算制度にチャレンジする理由
筆者:石黒太一
 

2020年6月から「部門別採算制度」の導入に向けたプロジェクト活動を行っています。12月からは各部署を一つの会社と考えて採算を検討しながらPDCAサイクルを回すという取り組みもスタートしました。現状においては、事業部が分かれていたり、営業所に分かれているわけではありませんので、なぜ部門別にする必要があるのか、という疑問を持つことがあります。ここに大切なポイントがあります。
 
部署というのは、機能として分かれています。会社のスタート時は一人が何でもやるマルチタスク状態ですが、組織が大きくなっていく過程で分業化にすすでいきます。個々に業務を深堀りしてより高い成果を出すことを目指すことになります。しかし、人数が増えていったり、組織が大きくなっていく中で、部署間の連携が弱くなっていくことがあります。もしくは、「他人事」が生まれてきたりします。例えば、自分の家のリビングにゴミが落ちていたら拾います。しかし、道に落ちているゴミは誰かが拾ってくれるからいいや、とも考えたりします。組織や会社も成長の過程でも同じようなことが発生したりします。部門別採算を導入することで、自分の仕事や成果がどのようにつながっていくかがよく分かるようになります。逆に言えば、自分の頑張りで、全体の業績に貢献することもわかりやすくなるのです。
 
導入は決して簡単なことではありません。今まで、全社で見ていた売上や経費を各部署単位で管理できるように仕組みを見直したり、部署間が協力し合えるように、それぞれが商売をするような取り決めをしたりします。今までなかったことをやるのですから、それなりに準備はかかりますし、パワーもかかります。そして、ツールとして使えるようになるには習熟も必要になります。これが各リーダーが活用できるようになれば、経営者視点で数字を考えることができ、必然的にマネンジメント力を向上させることになります。でもその過程は楽ではありません。負荷もかかっているかもしれません。
 
ただ、これはチャンスであると思いますし、本やセミナーでは学ぶことができない実体験としての経営者視点を身につけることができます。「売上を最大にする。経費を最小にする。」京セラ創業者の稲盛和夫さんの著書を読むと出てくる言葉ですが、自分で経験しないとその本当の意味はわからないと思います。売上最大ってそんな簡単なことでもないし、経費だって単純に減らせばいいというものでもないものです。売上を上げるには、費用を掛けないといけないこともあります。適切に経費を使い、その投資をどう回収するのかまで考えていく必要があります。そこには会社で働く社員、従業員がいます。その家族もいます。稼ぎを最大にしていくことは最終的には社員の物心両面の幸せとお客様の喜びにつながっていくことになります。働きながらこの体験をすることは、人として、ビジネスパーソンとしても成長することになります。
 
 
スタートしたばかりですが、ひとつひとつの数字を大切に取り組むことで最後は自分に戻ってくるのだと気づくことができます。20代前半でからこんな経験を私ができなかったので、ビジネスパーソンの早い段階からできることは羨ましいです。

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