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2021/02/23

志望動機書けないです
筆者:石黒太一
 

「志望動機が書けなくて困っています」
就職活動中の学生さんに悩みを聞くと3人に1人は志望動機についてお話をされます。そもそも、志望動機とはなんでしょうか。言葉の通り、入社したいという企業をなぜ志望しているのかを伝えるものです。客観的に見れば、何かしら志望した理由があるはずとは思います。ここで大切なことは、体裁のいい志望動機を作らないといけない、というのは本当かどうかです。選考に進みたい、入社したいと思ったからには何かしらの理由があるはずです。本音では、複数の企業、業界を見てきたけどどこも自分には合わないと感じ、ほんの少しだけ自分とフィーリングがあるような気がしたということで志望しているのかもしれません。まずこのほんの少しでも感じた感情を大切にすることです。
 
立派な志望動機があるかどうか大きな問題ではないと考えています。それよりも、この企業で働くことが自分の人生の幸せにつながっていくかどうかだと思います。幸せは人によって異なりますし、もしかしたら、その幸せと企業が求めていることにギャップがあるかもしれません。そのすり合わせが選考の過程だと思いますし、自分が望んでいることが本当はどうなんだろうということを知るためにOBやOGに話を聞きにいくということもあります。自分のほんの少しでも湧いた「この会社いいかも」というワクワクを大きくしていくには、行動して、話を聞いて、体験してみて徐々に大きくしていけばいいと思います。
 
選考を通過するための志望動機などはあまり意味がないと感じています。それが、自分のワクワクを成長させていった結果、自分事として語れるのであればとてもいいですが、入社することを目的にすると入社してから燃え尽きてしまいます。仕事をしていると、壁にぶつかり、時には心が折れそうになることもあります。これらを乗り越えて仕事ができるようになっていく過程の中で、なぜ自分はこの会社に入りたかったのだろう、というものが就活のための志望動機になっていたとしたら早い段階で目的を見失うことにもなりかねません。夢を描き、そのプロセスとして納得し、自分事になっていれば、壁にぶつかった時も立ち戻ることができます。
 
就活中は就活のための志望動機だったけど、もう一度現時点から「なぜ自分はここで働くのか」を見つめ直すこともできます。そのためには自分の将来、夢、ミッションを描くことで目の前の仕事と繋げていくことも可能です。夢を描くと現実を否定する方が時々います。でもそれは今の自分肯定せずに、隣の芝が青く見えるだけです。場所を変えても、仕事を変えても目の前に現れる課題は同じです。どこかで階段を登らないとずっと同じところでぐるぐるしていることがあります。20代前半で転職をした経験からすると、環境を変えたところで仕事ができるかどうかは自分の問題であるということを感じたことがあります。環境を変えると、余計に課題は難しくなります。乗り越えるための努力は人一倍必要になります。
 
就職活動をする上で、志望動機とは自分と向き合う大切なものです。自己分析をしたり、説明会に行ったり、先輩社員に会ったり、様々なプロセスを経験する中で、「なぜ自分はこの仕事を選ぶのか」を決してかっこいい言葉や体裁のいいの言葉にしなくていいので、自分のワクワクした気持ちにつなげてみてください。自分事になれば多少、プレゼンテーションがたどたどしくてもその思いは必ず伝わります。

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