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2021/03/07

なぜ職場のエンゲージメントが大切なのか
筆者:石黒太一
 

職場、組織でのエンゲージメントを把握するために定期的にサーベイを実施しているのですが、毎月同じ質問に繰り返し答えているとなぜこんなことをしているのか、そもそも何につながっているのかと感じることがあります。
 
エイミー・C・エドモンドソン教授はワークエンゲージメントのスコアが高い組織は心理的安全性が高いという相関関係があると言っています。そして心理的安全性の高いことがイノベーションを起こす後押しであったり、生産性が高いことに直結しているとも説いています。
 
心理的安全性とイノベーションの関係。これはとてもシンプルな仕組みです。心理的安全性が高いということはどんなことを言っても否定をされたり、ジャッジされるこもとはありません。自分の思ったことを言ってもいいという関係性があれば、新しいアイデアの芽が至るところで芽生え、より良いアイデアに生まれ変わるためのフィードバックも行われます。粗削りのアイデアも多くの人の協力によって磨かれていきます。しかし、こんなこと言ったらでしゃばってるって思われるかなと言った不安があると実は収益の次の柱になったかもしれないアイデアの芽も出てこなくてなります。
 
イノベーションを生まれる組織は、心理的安全性が高い。そして指標としてのワークエンゲージメントで状態を把握することができる。この関係性を理解しておくことは予測不可能な時代においては必然になります。だから、職場でのサーベイを手軽に行えるサービスが各社から提供されるようになってきていることがわかります。
 
ワークエンゲージメントが高まっていくにはどうしたらいいか。心理的安全性を高めるという視点で考えると、こういったことも考えられます。コミュニケーションにおいて、否定したりジャッジするのではなく、互いの大切なことを理解していく。自分事で参加できるように、常に指示や手順を伝えるのではなく、問いによって自ら考え行動することを促す。高い目標を自分で設定し、1on1などを通してフィードバックと称賛によってチャレンジをする。絶対的な正解があるものではないとすれば、現状からの仮設設定と実践検証がここにおいても重要になってきます。
 
やり方や手段に着目するのではなく、なぜ私たちは心理的安全性を高め、なぜワークエンゲージメントを高めていくのかといった目的に立ち戻ることで手段はいくらでも検討することができます。

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