お客様のことを知る
売上はお客様に喜んでいただいた結果です。ビジネスをする上でお客様が必ずいて、お客様のことを考えなかったり、自社の都合だけでやっていると必ず売上は下がっていきます。だからこそお客様のことを知ることは基本です。例えば新商品の企画をするにも商品を買っていただき、使っていただくお客様のことを知らないままだと作り手の想いだけになってしまいます。お客様不在の商品は話題になったとしても長く使っていただける商品にはなりません。
あなたは自分のことを知ろうとしてくれている人と一方的に押しつけてくる人とどちらの人からものを買いたいでしょうか。同じお金を使うにも、自分の悩みを理解してくれて、それにあった商品をおすすめしてくれる人から買いたいと思うのではないでしょうか。自動車を買うときに、スノーボードに行ったりキャンプに行くことが多いから荷物を乗せることができる車が欲しいと思っているのに、燃費良くてや価格が安いからという理由だけでヒアリングもなく小型車を推し続ける営業の人がいたら残念な気持ちになります。まずは難しいことを考えるのではなく、お客様が望んでいること、困っていることを知ることからはじまります。
スーパーのレジ業務をイメージしてみましょう。レジはお客様が最後に必ず通過する場所です。どのようなお客様が来店され、どのようなものを購入し、何でお支払いをされるのかといった定性的な情報や、「レジを通したら売場の表記と認識が違う」という相談などお客様の視点で見た時の課題点も目の前で見ることができます。この視点を理解して店舗運営するかどうかで売上は大きく変わってきます。ほとんどの職場で、お客様接点のある仕事にまず新入社員が配属されるのは、「お客様を知る」という目的にもあります。
私は社会人1年目のとき、営業をしていました。法人、個人両方がお客様という業態でしたが、いまでも初めてお申し込みを頂いたお客様の顔を忘れることはできません。お客様にどうした満足いただけるかを考え、納品の前日は最後の最後まで準備のチェックをしたことを覚えています。お客様と直接お話をして、ご要望をお聞きして、各所と調整するという経験をしないまま、商品の企画や仕入れなどをもし経験したとしたら机上の空論だったように思います。
これから新社会人として就職をするとき、どの部署、どのような業務に就くのだろうと不安になる時期でもあります。しかし、あなたを最も成長させるのは、お客様に一番近い仕事です。社会人1年目はこれからの職業人生の土台を作るときです。だからこそ、現地・現物・現場を大切にできる人になってください。成長し続ける企業やビジネスの共通点はお客様のことをよく知り、お客様に教えていただき、お客様が上司です。売上はお客様に喜んでいただいた結果です。