雑談のススメ
今までは当たり前だった雑談はどこへ行ったのか。雑談=無駄と考えがちでしたが、リモートやソーシャルディスタンスを体験したことで実は雑談こそがチームのパフォーマンスを最大化するために不可欠だったことに気づくことになりました。なぜ雑談がパフォーマンスに影響するのでしょうか。
人はアナログ
リモートでの商談をすると名刺交換をしたり、商談スペースに移動するちょっとした隙間の雑談もなく、本題に入っていきます。リモートワークだと必要な時にZoomを立ち上げて、終わればまた個人の業務となっていきます。移動するなどの時間がない分、生産的に行動ができます。ミーティング時間は40分と決めれば自動でオンラインツールは終了するし、必要な人と必要なだけコミュニケーションすることができます。時間の区切りがデジタルになっています。
しかし、私たちの思考や行動は必ずしもデジタルではありません。悩んだり喜んだり、褒めてもらいたかったりなど時間で区切りきれないこともあります。アナログなコミュニケーションがその課題解決に役立っていたのです。「少しだけご相談していいですか?」のために5分だけZoomをつなぐのは気が引けたり、チャットツールで連絡するにもテキストで送るまでもないし・・・。そんなモヤモヤが生産性を下げていることがあります。
コンテキストの価値
上司やリーダーと話をする中で意図を理解したり、指示の背景を理解する上で、日々のコミュニケーションからわかることもあります。それは職場ですれ違った同僚との雑談からきっかけを拾ったり、隣のチームが取り組んでいる様子を見てて気づいたりもします。
コンテキスト・文脈というのは会話の文脈もありますが、チームの活動としての文脈もあります。あのチームが方針を変更したということは自分たちもやり方が変わってくる。こういったコミュニケーションは会議などでされているものの、ランチで話した同期から聞いたり、廊下ですれ違った元上司から聞いたりすることもあります。全てをテキスト化して社内の隅々まで行き渡らせるということは理想ですが、間接部門が相当充実していない限り、走りながら共有して自ら情報を取っていくことがほとんどです。
手段は工夫次第
リモートワークが増えたタイミングで、雑談の価値に気づいた方たちは様々な取り組みをしていきました。オンライン飲み会はその代表ですね。誰かとお酒が飲みたいというニーズもあったかもしれませんが、飲みながら仕事のことやたわいもない話をしたりすることで相互理解が深まっていくことを気付きます。飲食店も休業しているし、感染予防ならオンラインという方法があるじゃん!というのは目から鱗でした。
また、会議の前後や朝礼の時間を使って雑談をする時間を意図的に設けるというアイデアもあります。チーム内でミーティングというよりも気軽なコミュニケーションをすることでメンバーのコンディションの把握にもつながります。
音声SNS・Clubhouseもその手段のひとつとして盛り上がったと考えています。声だけなので場所も気にせず気軽に話せるということもいいですよね。セミナーや講演会に行ってそのあとの懇親会でコミュニケーションをする感覚だったりもします。ただ、雑談しすぎて疲れてしまうということもありますが。
効率的なことは重要ですが、効果的なことはより重要です。時には非効率なこと、アナログなことでも「効果性の高いこと」があります。全てを1か0かで判断できないこともあります。人と人とのコミュニケーションに効率だけを求めると大切なことが抜けてしまいます。もしチームがどんよりしてたり、バラバラになっているかなと感じたら雑談を取り入れることがおすすめです。