新聞記事を使って問題解決思考を磨く
日経新聞に新しい商品やサービスについて記事が出ていることがあります。この記事を使って問題解決思考を身につけるトレーニングをしていきます。その方法はとても簡単です。その商品・サービスは「誰のため」「何のため」のものかを推測していくものです。
例えば、アメリカの携帯電話メーカーが「折りたたみスマホを発売」という記事があったとします。これは結果であって、この企画の過程の中では、どのような目的の企画か(どのようなニーズに応えるのか)、誰に使って欲しいか、どんな売りがあるのかと言って企画会議が重ねられて商品化したと考えられます。
まず「誰のため」なのでしょうか。あくまでこれは私の推測ですが、今のスマホが重たいと感じている人ではないかと思います。ディスプレイサイズが大きくなる一方大きく・重たくなっています。その反面、ミニサイズのスマホも販売される中で、動画コンテンツは大きな画面でみたいと考える方もいます。このような悩み・使い方をしている方向けに検討されたと仮説を立てることができます。折りたたみにするということから始まったというよりも、スマホがどんどん大きくなっていく中で「画面サイズは変えずにコンパクトなスマホを作る」というところからスタートしたのかもしれません。
「何のためか」これは色々な切り口もあると思いますが、この企業はアメリカの通信機器メーカーは老舗です。携帯端末でもヒット商品を出していた企業ですが、最近はAppleや韓国・中国メーカーとの競争もあり低迷をしています。その中で、技術発展によってディスプレイも折りたためることができるようになってきました。折りたたみタイプの携帯をかつてはヒットさせた経験もあること、韓国メーカーが一部だけが折りたたみスマホを販売しているだけでまだ市場が未成熟であることなどから起死回生で参入したのではないかとも考えることができます。つまり、新たなカテゴリーリーダーになるためということを推測することができます。
記事には商品の特徴などは書かれていますが、その背景までは書かれていません。商品やサービスから企画の意図を分解してみるということで企画力を身につけることができますし、「誰のため」「何のため」を考えるトレーニングになります。その結果、問題解決思考を磨くことができます。さらに、慣れてきたら「この商品・企画のUSP(Unique Seling Proposition 他社にはない独自の強み)」を合わせて考えてみるとより企画を考える頭になっていきます。社会人1年目にただ、新聞を読むのではなく、記事を分解していることで力がついてきます。ちなみに、上記商品の対象やその目的はあくまで私の推測です。のちに推測したものと実際の販売状況がどうなっていったかを比較していくとさらに学びになっていきますので、ノートに書き残しておくことが大切です。