自分のUSPは何か
就職活動で「あなたの強みを教えてください」という質問を受けることがあります。自分の強みは何だろうと、自己分析をしたり適性検査を活用するなど試行錯誤します。その結果がわかった自分の強みが「粘り強さ」だったとしましょう。面接で強みを聞かれ、「私の強みは粘り強さです」と答えて、その理由などを話をします。準備した通りに話すことができ、普通はここで満足してしまいます。しかし、もう一捻りしないと質問には答えたとはならないのです。なぜなら、粘り強さと答える人は他にもたくさんいますし、粘り強さがあるのはどのようにその会社に繋がっていくのでしょうか。
UPS(ユニーク・セリング・プロポジション)という言葉があります。マーケティングや広告などで使われる言葉ですが、直訳をすると「独自な売りの提案」です。商品などであれば、競合品にはない独自の強みが何であるかを表すことで消費者に買いたいと思ってもらう必要があります。例えば、缶ビールでいつもお気に入りのブランドがあったとします。自分の好みに合っているのですから買い続けます。しかし、ライバルからすれば自社の商品も買って欲しいわけです。だからと言って値段で勝負したところで消耗戦になってしまいますので、独自の強みを提案する必要があります。そこで、缶ビールが缶詰のように蓋ごと開いて、まるでビールジョッキのような感覚で飲むことができるという独自の売りを提案しているみると、一気に注目を浴び、いつもは飲まないけど試しに買ってみようとなるのです。
大切なことは独自の売りから「あなたにとってはこのようなベネフィット(利便)が手に入りますよ」ということまで提案するということです。面接で強みを伝えることとさらに、その強みをどのように会社で活かすことができるのか、貢献できるのかまで考えて伝えることでやっと、自分と会社が繋がっていくのです。採用情報でも企業の強みや独自の取り組みを伝えることがありますが、それによって働く方にとってはどのように良いのかがわかると魅力に感じるのと同じことです。
自分にとってのUSPとは何か。これは就職をする瞬間だけではなく、キャリアをデザインしていく上でも常に考えていきたいことです。自分のUSPを考え続けることでどのような貢献を会社や社会にしていけるのかが明確になっていきます。