「やり抜く力」について
少しネタバレではありますが、あえて「やり抜く」ということについて考えていきます。面接などで「今までの経験でやり抜いたことを教えてください」ということをお聞きすることがあります。多くの方はガクチカを応用して、学生時代に頑張ったこと、力を入れたことについてお話しされます。もちろん、学生時代にやり抜いたこと=ガクチカであれば良いのですが、お聞きしていて少し違和感を感じることがあります。それは、点のお話をされるからです。例えば、「大学2年時に学園祭実行委員としてSNSを使った集客で前年比120%を実現しました」といったエピソードになったりします。達成したことについてお話をいただくのですが、そのためにどのような情熱があったのか、どれだけ粘り強く取り組んだのかといったことは深くお聞きしても出てこないことがあります。今回はどのようなことをお聞きしたいかについて解説をしていきます。
「やり抜く力」(アンジェラ・ダックワーク著)では世の中で成果を出している人の共通点として次のように書かれています。「みごとに結果を出した人たちの特徴は、『情熱』と『粘り強さ』をあわせ持っていることだった。つまり『グリット』(やり抜く力)が強かったのだ」
ここですでに結論になってしまいますが、やり抜いた経験でお聞きしたいことは、『情熱』と『粘り強さ』を持ち合わせているのかということなのです。1万時間の法則というものをご存知でしょうか。マルコム・グラッドウェル氏が提唱してたプロや一流になるためには1万時間の練習量が必要であるというものです。何か秀でたものを自分のものにするにはそれぐらいの時間をかけて取り組むことが必要であり、1万時間も飽きずにコツコツと続けることが重要なのです。飽きないためには情熱も大切ですし、その情熱を自分の内側から燃やし続けることです。一般的な大学生で1万時間練習し続けたものがあるという方は決して多くはないかもしれません。しかし、1万時間まではいかなくても情熱を燃やし続けたものは何かしらあるはずです。何に自分は時間を使い、粘り強く取り組んできたのかを棚卸しして欲しいのです。
「マンガを読んだ量、時間は誰にも負けない自信があります。」「自分の好きなアイドルに情熱を捧げてきました。」「3歳の時からピアノはやっていて、ある程度の曲は初見で演奏できます。」など誰にも負けないこと、自信があることを一つでもいいので見つけてみませんか。仕事をする時も没頭できる人は必ず成果を出すようになっていきます。寝食を忘れて取り組んだことは何ですか?さらに、挫折もしながらもやり続けてきたことは何ですか?就活のテクニックではなく、自分の中にある「やり抜く力」を一度探してみませんか。