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2021/04/14

数字で考える習慣をつける
筆者:石黒太一
 

「企業の決算書の読み方」をコンテンツにしている会社説明会に、学生の頃参加したことを思い出します。(2002年の頃なので、もう20年近く前ですが。)当時は、全然わかりませんでした。かといって今、決算書を分析できるかと言われると全く自信はありませんが、その頃に比べれば、会社の数字に触れる機会は多くなりました。売上最大、経費最小、時間最短。このテーマのもと、部門別採算制度の運用を行っています。部署・部門が一つの会社と見立てて、売上と経費、さらに労働時間から割り出した数字を使って、採算を分析し、高めていくというものです。手元の仕事だけをやっていると個人の数字、チームの数字が達成しているかどうかはわかりますが、その達成が会社の業績にどう貢献しているのかまで理解するのはよほど関心を持っていないとわからないものです。個人目標は達成しているに、評価されているように感じないというのは、会社全体の採算を見た時に、もしかしたらもっと高い目標にチャレンジしないといけないということなのかもしれません。
 
なぜ数字が大切なのか。どんなビジネスであってもお客様に喜んでいただくことで売上という結果をいただくことができます。しかし、売上を上げるためには費用もかかります。例えば、仕事で使うPCやオフィスの家賃、お客様にお送りする資料の印刷代など、何かしらお金がかかっています。さらには給料をもらって働いているのであれば、人件費も必要です。お客様が喜んでいただけるからといって、無限に費用・経費を使っていいというものではありません。会社を存続、成長させるためには利益も残していかないとけません。そして、自分ひとりで24時間働き続けるということはできませんし、より多くのお客様に喜んでいただくためには一人よりも二人でやったほうがいいこともあります。これも経費と同様に人がたくさんいれば最高のサービスを提供できるのかといわれれば、できるかもしれませんが、給料を払うことができなければ、雇い続けることもできなくなります。だからこそ、お客様に喜んでいただくためには、適切に採算の取れたビジネスをしていくことが重要であり、そのために数字で理解していくのです。
 
部門別採算制度の良いところは、経営者の視点で部門運営をすることを求められるということです。起業をしなくても「疑似的な」経営者としての経験をすることでビジネスパーソンとしての実力が身につきます。もちろん、結果を求められますので、決して楽なものではありません。時にはどうしても赤字になってしまうことで苦しみもがくことあります。しかし、そのチャンスをどう活かしていくのかをビジネスゲームではなく、実際の業務の中で試行錯誤することで、数字を作っていく力が圧倒的に身につきます。これは、自分の数字だけを作っていくのとは全然違います。リーダーはチームメンバーと共に考え、判断し、行動していくことで、リアルに結果が出てきます。誰かがカバーしてくれるわけでありません。このストレッチこそが仕事力を高め、人間力の向上させていくのです。

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