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2021/04/15

聴くときに大切にしていること
筆者:石黒太一
 

あなたは人の話を聴く時に何を心がけていますか?人とのコミュニケーションで話すことよりも、聴くことを重視するということはよく耳にしますが、ただ聴いていればいいのでしょうか。ジェットブルー航空の会長ジョエル・ピーターソンは次のように言っています。
 
「思惑を持ってはなりません。自分なりの思惑を持ったまま人の話を聞くと、相手の言っている情報を処理するのではなく、それにどう対応するかを画策することになります。」(DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー2021年5月号「聞き上手のリーダーに変わる7つの知恵」より)
 
つい自分の先入観を持って人の話を聞くと、内容よりも自分がどう判断するかを聞いていることになります。この人は自分の考えと合っているのだろうか、どうやって自分のロジックで回答しようかなど、主語が自分になってしまいます。チームメンバーから業務の相談を受けているにもかからず、相談内容よりもどうやって自分の考えを伝えようかを準備してしまうのです。これではコミュニケーションになりませんね。相談しても逆に指導されると感じてしまうと相談しにくくなります。まず自分の先入観を一旦横において、「聴く」ことを上手になっていきたいです。
 
あらかじめ考えを持って聞くと相手もその考えに合わせて話をするようになります。もしそうなってしまうと、悪い情報が入ってこなくなります。本当はトラブルが起きているのに、伝えると相手の考えに合わないと思った瞬間にトラブルについては包み隠してしまうことになります。これは上司部下の関係でなくても重要なことです。なんでそれを早く教えてくれなかったのか、と感じたことはありませんか。多くの場合、気を使って伝えなかったのかもしれません。しかし、普段から「聴く」姿勢でいることで良いことも悪いことも入ってくるようになります。
 
就職活動で企業の情報を収集する時に、「私は〇〇業界にしか興味がない」と考えを閉じて行動すると、本当は自分にピッタリの会社が目の前にあるにも関わらず情報を遮断してしまうことになります。自分の先入観が正しい判断を邪魔してしまうことがあるのです。聴くときだけに関わらず、まずは自分の心の耳で聴いてみると情報の本心につながることができます。相手との会話でも相手が本当に伝えたいことは何かを聴くことで、コミュニケーションや関係性の質が向上します。人と話すことは日常でやっていますが、どれだけ先入観を置いて相手のことを聴けているかを意識してみましょう。

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