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2021/04/16

石の上に三年いた後はどうするか
筆者:石黒太一
 

「石の上にも三年」といいます。まずは、三年は向き合ってみることで、仕事の面白さや自分の強みを理解できるようになります。しかし、三年石の上にいた後はどうするのでしょうか。社会人の基礎、仕事の基本を覚え一人前になった段階で、次にチャレンジすることについて考えたことがありますか。当然、一人前になってきたことで仕事の成果を出すこともできるようになり、多少の慣れも出てくる頃です。ここからは様々な選択肢があります。まず考えられるのは、求められることで成果を出すことができるようになったら、次は新たな成果を生み出す仕組みを作ることです。与えられる目標から自ら目標をたててチャレンジすることで新しい価値を創造することができます。他には、組織的視点を持って仕事をすることです。ひとりのメンバーとしてリーダーについていくスタンスから、自分がリーダーとなっていくことに成長していくこともできます。そのためには、多角的な視点を持つことが必要になってきます。例えば、異動によって違う視点で会社のこと、仕事のことを理解し始めるのもこの時期です。
 
専門性を高めていく、もしくは、マネジメント力を身につけていくなどの選択がありますが、初めて「石から降りて歩み始める」のであれば、専門性は意識しつつも、マネジメント力を高めていくことが長いキャリアにおいては大切なことだと考えています。もちろん、そのためには石の上にいる間に情熱を持って、粘り強く成果を出していく姿勢を身に付けなければいけません。ただ、石の上に座っていてはいけません。石から降りるということは自分の足で歩き始めるのです。多角的な視点とマネジメントというとやや異なるようにも聞こえますが、組織で働く上では、様々な立場の仕事や考えを知ることで、リーダーとしての実力は高まっていきます。時として部署間や拠点間で意見の対立が生まれたりします。しかし、その双方の立場を経験した事があれば互いの考えも理解することができ、対立ではなく、協力をすることができるのです。
 
キャリアデザインの考え方に「筏下り」「山登り」があります。キャリアのスタートは「筏下り」です。最初はすごいスピードで下っていきますので必死についていくことで精一杯です。徐々にうまく下れるようになるとコンフォーゾーンに入ってしまい、楽になっていくのですが、人によっては成長が鈍化してしまうのです。そうすると、筏を降りて、「山登り」に移行します。自分が登る山を決め、頂上に向かって歩んでいきます。山登りは自分が行動しなければ進みませんし、頂上に近づけばその斜面は急になっていきます。キャリアを自らデザインするとき、自分は今どこ時点にいるのか、登る山は決めているのか、を考えて計画を立てることが大切です。いつまでも筏に乗っていてはいけません。自分の足で自分の人生を歩んでいくのです。

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