全体最適で考える理由
会社や組織では「全体最適」で考える必要があると言われますが、そもそも全体最適とは何でしょうか。極端な例でいうと、全社の方針として値引き販売は行わないとしていたとします。しかし、長年のお付き合いのあるお客様から値引きの相談があり、特例で値引きを販売をしてしました。このお客様には今後のお取引を見込んで特別な対応をしたのですから部分最適となります。お客様への柔軟な対応という意味では良いかもしれませんが、相談したら対応してくれるということが広がっていけば、値引きが当たり前になり方針が崩れていきます。部分最適は一瞬は良いかもしれませんが、長い時間軸でみると決して良いものではないことがわかります。
全体最適で考えると、時として「部分」の意見などが後回しになってしまうようにも感じることがあります。大切なことは、判断をする人やリーダーだけが全体最適で考えるのではなく、会社や組織の一人一人が全体最適の視点で考えることが重要です。自分たちの部署がやりやすいことだけを考えても全体で見たら非効率なこともあります。自己犠牲をするのではなく、自分たちが全体の視点をもったら何ができるかを考えることです。
アルバイトや部活などでも一部の意見だけを優先したら、全体で見た時にバランスが崩れて苦労したということはありませんか。和食料理のお店で「三味線のBGMが気に入らない」というお客様の声があったので、翌日から洋楽を流すようにしたら、そもそもお店のコンセプトが崩れてしまうというのは想像しやすいと思います。全体最適の大前提としては会社や組織が何を大切にしているかを正しく理解することです。自分の意見や考えを持つことはとても大切です。しかし、会社が何を重点にして、何を目標としているのかを理解することで、必然的に全体最適の視点で物事を考えることができるようになります。
部分最適で進めた時に、「なぜあれはOKで、こちらのものはだめなんですか?」という質問に答えることはとても苦労しますので、常に判断する時は「全体最適」が重要です。