人と関わる仕事とは
「人と関わる仕事がしたいです」就職活動で会社を調べる際に、時々耳にするこの言葉。ずっと何か違和感があるなと思っていたので整理してみたいと思います。「人と関わる」で意図していることとしては、お客様に直接サービスや商品をご提供することを表現していると考えています。しかし、逆に「人に関わらない」をイメージするとなかなか思いつくことができません。販売戦略を企画する仕事においても、お客様のことを知らないと戦略も立ちませんし、もし営業や小売店など向けに戦略を伝えていくのであればそこに人がいます。間接部門と言われる経理や総務なども社内の人や社労士、税理士などパートナーと関わることがとても多くあります。エンジニアにおいても、開発しているものは人が使うものですから人がその先にいますし、またチームで仕事をするのであれば同僚という人がいます。
「人と関わる」から本当に伝えたいことは「お客様に一番近い場所で、喜んでいただくことがしたい」と表現するのが良いのかもしません。販売会社や販売店を通して商品を提供するメーカーだと、ユーザーと日々接するということは決して多くはないはずです。また、原材料メーカーのように最終商品ではないため販売した商品に対するお客様の喜びを直に感じることが難しいということもあります。製造小売のように、企画から販売までを一貫して行い、自分たちの企画した商品に対するレスポンスが直接いただけるということはやりがいにつながっていきます。
人と関わるかはビジネスモデルに結びつけて考えてみると伝わりやすくなります。お客様が誰であるか。どうやって商品・サービスをお客様に提供しているのか。収益性のポイントは何か。この仕組みと人との関わりが大きく関連してきます。サブスクリプションや定期通販といったビジネスモデルの例で言えば、お客様との関わりが仕組みで回っているように見えますが、その反面、カスタマーサクセスという機能が存在してお客様の成功を伴走するということがあります。一見、自動化しているように見えて、実は店頭販売よりもお客様と密に関わるということもあります。仕事のイメージではなく、その企業のビジネスモデルをより深く知ると、もっと魅力を発見できるかもしれません。