お客様からお金をお預かりしている
金融機関に限らず、ビジネスでお客様から商品やサービスの対価としてお金をいただくとき「お客様からお金をお預かりしてる」と考えておきたいものです。これは返金保証が付いているとか、商品は金融商品であるということではなく、お客様は私たちへの「信頼と期待」を基にお支払いをしていただいていると考えてみるということです。
代理店販売のように同じ商品を複数の方が販売していると、同じ商品で競合することがあります。商品も価格も同じ。何をもって購入決定をするのかと言ったら「誰から買うか」です。誰に注文をしたいかを判断しているのが信頼と期待なのです。信頼がない人から買いたくないですし、この人が言うなら任せたいがなければ躊躇します。
全てのビジネスでも仕事の仕方でも同じことが言えます。書籍を購入できるネット通販はいくつもあります。しかし、使うところはいつも同じではないでしょうか。配達が早くて自分にとって安心して注文ができるという信頼があるからです。職場で困ったときに仕事をお願いしたいという人がいつも同じということはありませんか。この人なら成果を出してくれるだろうという信頼があるから任せることができます。
お客様からお金をいただくのは商品をお渡しする時です。しかし、お客様が商品・サービスを使うのはそのあとです。お金をいただいたらそれで終わり、というわけにはいきません。自分事で考えてみるとよくわかります。お弁当を買ってお金を払ったあと、蓋をあけたら傷んでいたとしたらあなたはどうしますか?空腹を満たしたいと思ってお金を払ったのにそのニーズは満たされなかったら困りますよね。つまり自分はお弁当を買っているのではなく、空腹を満たすための手段にお金を払っているのです。
商品やサービスを提供することはニーズを満たすための手段です。しかし、実際に仕事をしてると物をお渡しすることが仕事のように思えてしまうことがあります。その時点ではまだお客様からお金をお預かりしてる状態です。その提供したものでニーズを満たし、満足いただけたらやっとお預かりしたお金は本当の意味で受け取ることができます。決済方法や商品の提供手段は商習慣や便宜的に必ずしも満足いただけたらお金を頂戴するという形になっていませんが、このような考え方、気持ちでお客様に接することができれば、必然的にお客様満足は高まっていきます。