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2021/06/09

失敗を活かすこと
筆者:石黒太一
 

失敗をしたいか、したくないかを聞かれたら多くの場合は、「失敗はしたくない」と答えます。しかし、成長においては必ずといっていいほど失敗を経験します。むしろ、失敗をしないということはチャレンジをしていないということです。
 
初めて、学校で習字を習った時、上手に漢数字の「一」を書くことはできましたか。たった、ひと筆なのに、お手本通りにかけず、半紙を何枚も使って書き直しをしたことを覚えています。失敗を繰り返し上手になっていきます。重要なことは、同じことをやるにしても、同じことを繰り返さないということです。少し筆の持ち方を変えてみたり、力の入れ方を変えてみるなどの仮説検証の繰り返しです。失敗というのは仮説に対して、その仮設ではなかったということの学びなのです。
 
先日、NHKのプロフェッショナル 仕事の流儀でカリスマ販売員として橋本和恵さんが出演されていました。様々な現場、商品で販売の改善やセールストークの開発などを本業とされている方です。その一つの現場で、スーパーなどでの対面で実演販売ができなくなったために、店頭にモニターを設置しオンラインでの実演販売をテストするというものがありました。初めは、お客様も通りすがってしまい、こちらからの呼びかけにも反応をしません。着ているパーカーの色を変えて見たり、動作を変更したり、試行錯誤するなかで、「『私と』つながっています」の呼びかけでお客様が振り向いてくださるということを発見します。ホワイトボードには無数の言葉が書かれており、何度も何度も失敗を繰り返し光を見つけるということをしていました。それはその人の仕事だから当たり前じゃないかと思うかもしれません。しかし、私達も普段仕事をしています。役割や目標があってそれに向かって行動しています。しかし、橋本さんが言葉一つ一つを繰り返しテストするように仕事が出ているでしょうか。1度や2度の失敗で「できない」と思って諦めてしまったり、行動が止まってしまったりしていないでしょうか。
 
途中で諦めるか、目標に向かってできるまでやりきるのか。この違いが自分の成長に大きく関わってきます。失敗は途中の過程であって結果ではありません。PDCAサイクルでいれば、PとDでちょっと計画どおりにいかなかったという事実がわかったということです。失敗するとわかることがたくさんあります。むしろ学びです。狙って失敗するということはありませんが、失敗はよりうまくいくためのきっかけにすぎないのです。

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