自分とのつながり
他人と比較することで優劣を感じてしまうことがあります。ライバルとの切磋琢磨で自分を高めるというプラスの側面と、できない自分を卑下してしまうマイナスの側面が共存していると考えています。時として、自分を奮いたたせるために他者との比較も必要な場面はあります。しかし、常に比較し続ける中でそれが焦りとなり、苦しみになり、自信を持てなくなってしまってはいけません。自分が向き合うのは自分自身であり、自分とのつながりが道を拓いてくれます。
自分とのつながり。マインドフルネスを耳にするようになって、自分の声や呼吸、感情に意識を向けるということの大切さを気づくようになりました。日本には、座禅や瞑想という言葉が古くからあることを考えると、自分とのつながりの重要性は本質的なものなのだと言えます。無意識に呼吸が浅くなっていたり、心の声が何かをメッセージとして発信しているのに、日々の忙しさで気づかなくなっています。呼吸が浅くなれば、酸素の量も減りますので、血流も悪くなり脳が活発に動かなくなってしまいます。集中して仕上げないといけない仕事があるのに、頭がボーッとしていたら良いアウトプットもでてきません。一日中、それも寝ている間も繰り返される呼吸に少しだけでも意識を向けてみると自分の今を知ることができます。
頭の中でぐるぐる考えていると疲労感がたまります。まずは紙に書いてみる。思っていることをつらつらと書いてみる。自分が何に思い悩み、足踏みしているのかがわからない時こそ、頭の外に出してみることです。書き出してみると「なんだそんなことで悩んでいたのか」と気づくこともありますし、解決のヒントにであることもあります。頭の中の考えを外に出すために先人が発明したものが「日記」です。毎日何でもいいから書いてみる。誰に見せるわけでもないので自由に書いてみる。どの時代、どの文化においても日記というものが存在してることから、かなり効果性の高いツールであることがわかります。紙でも、スマホのアプリでもなんでもいいと思います。今日一日を振り返っても、今の悩みを吐き出してもそのやり方は自分にあっているかどうかです。やり方にこだわることではなく、自分の頭の中を一度外に出してみることが重要です。
自分のことは自分が一番良く知っています。気づかない自分がいることも事実です。気づかないうちに体調を崩したり、思い悩んでしまうこともあります。それを防ぐためにも自分の今を自分に聴くことです。呼吸が浅くなっていないか、心の声が「そろそろ立ち止まってみたら?」と言っていないか、など自分とのつながりを大切にすることで、本当の意味で他人にも優しくできるようになります。