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2021/07/23

1on1の基本を知る
筆者:石黒太一
 

部下、メンバー、後輩に成長してもらいたいと思うのは当然のことです。やりがいを感じてもらいたいし、その人の能力を最大限発揮してもらいと思います。多くの企業や組織が活用している1on1はメンバー育成に非常に効果を発揮します。すでに実践していることかもしれませんが、もう一度基本をおさらいしていきたいます。
 
1on1実施で大切な5つのポイント
(1)相手に十分に話をしてもらう
(2)話は最後まで聞く
(3)立場での発言をしない
(4)相手に考えてもらう
(5)行動で終わる
 
(1)相手に十分に話をしてもらう
もし上司部下の関係で1on1を実施するのであれば、あくまでこの時間は部下のための時間です。上司のためにやるわけでもなく、上司に報告するためにやるわけでもありません。聞く立場の人は、相手に向き合い(体の向きも含めて)、じっくり話を聞きます。テーマも話す人が決めます。
 
(2)話は最後まで聞く
「ちょっと待って、それは・・・」「いやいや、そうじゃなくて・・・」途中でそんな遮りが入ってしまったら話す気もなくなります。ですから、思うことはあっても最後まで聞きます。話しやすい環境、関係を作るために相槌など反応も大切です。視線はPCを見ていて、聞いているのか聞いてないのかわからない状態では話もできませんし、聞く姿勢を作ることも最後まで話してもらうために必要です。
 
(3)立場での発言をしない
上司部下で、聞く人=上司、話す人=部下という構図のままでは心を開いて本音で話すことはできません。対等ということは100%できないしても、上司という役割での発言には注意が必要です。役割が透けて見えると、報告になってしまったり、過去の経験もよく見せようとして、学びたい経験がぼやけてしまいます。
 
(4)相手に考えてもらう
話す人が答えをくださいという姿勢だと、自己成長にはつながっていきません。自分の経験から何を学び、次にどう活かすのかを内省するサポートという目的が1on1にはあります。
 
(5)行動で終わる
そして、話しただけで終わり、想いを伝えてスッキリしたではなく、自分が学び、教訓としたことから次にどのようなアクションを起こすのかまで自分で決めることです。振り返りしっぱなし、語りっぱなしは学びがその場で終わってしまいます。成長がもう1歩足りない、と思うケースは、この次へのアクションが不足していることがあります。
 
より効果を高めるためには手順があります。週に30分実施するのであれば、雑談して終わりでは時間がもったいないものになります。
 
 
フォードバックとしての1on1
部下、メンバーのための時間でありつつ、リアルタイムフィードバックであるとも言えます。上司が評価をするわけではありませんが、自分の行動や自分がテーマを決めますから、必然的に今目の前で取り組んでいることや個人ミッションに関することも多くなります。その行動が狙っているゴールに向かっているかどうかはこの時間を使って確認することができます。もし大きく方向を外しているなら修正することにもできます。
 
7・2・1の法則
人の成長に必要な割合を示している法則です。経験から学ぶこと7割、上司や先輩からの助言、フィードバックから2割、研修や本などからの学びから1割と言われています。1on1では経験学習を中心においていますが、上司や先輩と対話することがとても大きな役割を果たします。経験を振り返り、内省することが自分でできれば良いですが、なかなかできないものです。ですから、1on1を通して、内省し、上司からのフィードバックも受けることが人材育成に欠かすことができないのです。
 
時にはコーチングとティーチングを使い分ける
あくまでの話をする人の中にある答えを引き出すことが大切ですが、場合によってはティーチングも必要になってきます。明らかに方向性がずれているとか、そもそも知らないという場合に、そこも含めて認めながら答えを引き出していくことは至難の業です。話をしっかり聞き、よりゴールに近づくために知らないことは教えることも必要です。
 
変化し続ける環境の中では、上司もリーダーも経験したことがないことがどんどん起こっていきます。自分が経験・体験してきたことなら教えるということもできるかもしれませんが、思いもしないことが目の前に現れ、現場で考えて乗り越えていくことを求められる時代です。人材育成に必要な、1on1とフィードバックは繰り返し実践して学びを深めていきたいものです。

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