承認するスキル
努力して結果をだしたのに、認められない。どれだけ成果を出していても何も承認されずモチベーションも下がっていってしまう。こんな経験をしたことはありませんか。逆に、小さな承認を繰り返すことで、少しずつ自分の中でやる気に火がついていくということもあります。必ずしも「結果が全てではない」ということはこのプロセスにマネジャー・リーダーとしての役割がありそうです。
どんなことでもまず承認することから始めると、努力が報われている気持ちを相手は受け取ります。たとえ、その結果が振るわなくても、まず現状を認めることです。その上でより改善が必要なことを伝えます。マネジャーやリーダーはどうしても結果に注目をします。それは当たり前のことです。そのチームの結果に責任をもっているのですから当然のことです。そのためには、プロセスにおいて、できていることできていないことを分けてみていく必要があります。できていることは認め、更に伸ばしてほしいことは未来に向かって話をしていくことです。
承認は必ずしも他人から受けるだけではありません。自分自身でも自分を承認する事もできます。客観的に自分を捉えたり、内省することで自分を少しずつ認めていきます。できたことは更に良くするために何ができるのか、できなかったことはその要因を分析して、改善をすることで、PDCAが回っていきます。誰も自分の努力を認めてくれないということを嘆くよりも、まずは自分で自分を振り返ることも大切です。
高校野球で甲子園の常連校が1回戦で勝った時と、1回戦突破がまず目標の高校が勝った時とでは周囲からの認められ方にやや違いがあります。勝ったという事実は一つしかありませんが、その根本には期待があります。承認するにもなんでも褒めておけばいいわけではありません。その人への期待やレベルによっても変わってきます。創部数年の野球部が1回戦を突破したときは、まるで決勝で勝ったかのような盛り上がりをします。これはまず勝つことが目標であり、周囲からの期待でもあったからです。ここで監督はこの1勝をしっかりと褒めて、認めます。しかし、ここで満足させてしまっては、次の試合が消化試合のようになってします。ですから、試合での改善点も明確にして次に向かって勝つ準備をしていくことが必要です。褒めっぱなしにすると、気が緩みます。
承認することはスキルです。できたことは認め、できなかったことは次へのアクションを明確にする。そして、このアクションができたら認め、改善していく。この繰り返しで小さな階段を登っていくことができます。