目の前の仕事にチャンスが眠っている
自分のキャリアにつながる仕事だからやる。この判断基準は時として自分の可能性を狭めてしまうことがあります。就職活動で企業や業界を絞っていくという時に、極端に絞り込む時には注意が必要です。自分にとって何が自分の能力を最大限活かすことができるかは、やってみないとわからないことがほとんどです。偶然配属された仕事が自分にとっての転換点だったということはよく聞きます。意図しない出来事によって才能を開花させるチャンスを最初から捨ててしまう必要はありません。
仕事は選ばずすべて受けるという俳優さんのインタビューを聞くことがあります。選ぶということは、自分の仕事の幅を自分で決めているということです。しかし、客観的にみてこの仕事をしたらきっと面白いと自然と幅を広げるチャンスだったりします。そのチャンスも全力で取り組む人が長く活躍していきます。自分で制限しているか、機会を自分の成長の機会に変えるかの違いです。俳優やタレントだけでの話ではありません。仕事をしていると同じようなことが多数あります。例えば、チームメンバーの異動や退職で急に仕事を引き継ぐことになり、自分が全くわからない分野のことを担当する時に、これはわからないから嫌だと思うのか、これも機会だから勉強してみると思うのかで幅が変わってきます。少なくとも、できると判断されて引き継いでいるのですから、その機会を受け取ることができる人は次もチャンスが巡ってきます。
現時点での自分の能力や強みを理解しているとしても、それはこれからもどんどん広がっていきます。自分の強みは〇〇だから、この仕事が向いていると思うというのはチャンスを逃しているかもしれません。強み=職種というのは時代や技術の変化でどんどん変わっていきます。もしあったとしてもそれは現時点であり、この先10年でがらっとかわってしまうこともあります。大切なことは、知らないことでもやったことがないことでも、失敗を恐れずチャレンジすることです。時には、自分の向き不向きを周囲に委ねてしまうことも必要です。この業界、業種を志望していると熱くなってもなかなか就職活動での面接が通過しない、ということはもしかしたら違う可能性にチャレンジしたほうがいいということかもしれません。
キャリアは自ら築くものですが、まずは目の前の仕事に全力で取り組むことでそのキャリアのきっかけを掴むことから始めることが大切です。自分がこれがやりたい、というものがあったとしたら目の前に実はそのチャンスが眠っていることもたくさんあります。