感謝が対立を対話に変える
意見がぶつかったり、対立をしてしまう時に、自分の考えや主張だけを押し通しても何も解決には繋がりません。お互いが考えていること、大切にしていることを理解し、共感することでしか先には進んでいかないのです。そして、もっと大切なことは「感謝」という気持ちを持つということです。
対立をしているのに感謝をするというのは、決して簡単なことではありません。そもそも感謝があれば対立なんてしないとのかもしれません。ではなぜ感謝が必要なのでしょうか。意見がぶつかるということは、共通の大きなテーマがあるはずです。このテーマを実現したり、課題解決をしようとする時にそのアプローチの違いで考えが食い違うことが多くあります。すごく引いて考えれば、真剣に考えているからこそぶつかるということです。さらに、お互いの考えの不足していることを気づかせてくれます。圧倒的に答えがひとつであればぶつかることもありませんが、もし不足していることを気づかずにあとから問題が起きてしまったときに取り返しのつかない事にもなりかねないのです。だからこそ、反対意見やなかなかうまくいかないことは、ある意味で自分のためでもあります。
至らないところを教えてくれてありがとう。もしそんなことを言えることができれば、対立から対話に変わることができます。感謝することをツールにしてはいけませんが、常にどんなことにも感謝する気持ちを持ち合わせることで困難な場面も乗り越え方が見えてきます。日頃のトレーニングも必要です。急に、感謝するにはなれないものです。どんなこともありがたいと思えるように意識をしてみます。今日起きれたこと、食事を食べることができたこと、快適な場所で過ごせたこと、水道から水が出ることなどごく当たり前になっていることがたくさんあります。ないものを常に考えていると感謝よりも欲が先に出てしまいますが、すでにあることに意識を向けると、日々の豊かさに気づくことができます。こうやって少しづつでも感謝することを覚えることで、いざという時に感謝の気持ちを持って向き合うことができます。
逆説的ですが、建設的な対立というのは決して悪いことではありません。より良くしようとする仕組みでもあり、アイデアが磨かれていきます。自分の意見だけを主張したり、相手を誹謗中傷したりして先に進まない対立ではいけませんが、議論を重ね、それぞれの立場や経験からの考えが出てくることは建設なものになっていきます。自分には見えなかった視点、気づかなかった盲点を教えてくれたことに感謝することで前進していくことができます。