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2021/08/25

志望動機はwhyから始める
筆者:石黒太一
 

就職活動の相談で、志望動機についての悩みを聞くことが非常に多くあります。だからといって、これがやりたことが明確でもないので、自分のやりたいことと志望企業をつなげて考えることが難しいという悩みです。まず大切なことは、就職することやどこに就職するかはあくまで手段であるということです。採用活動をする立場で、就職が手段と言ってしまうと矛盾するように思えますが、目的化してしまうと内定がゴールであり、その企業に「就社」することで満足をしてしまいます。就職したらそれで安心という時代はそれで良かったかもしれません。しかし、これから考え方が大きく変わっていきます。
 
全国に400万社ある中で、志望する企業に出会ったということは何かの縁があります。そして、言葉にはできないけど何かいいなと思った事があるはずです。「いいなと思った」ことは、GIVEなのか、TAKEなのかで分類してみることから始めましょう。GIVEは与えるですが、貢献と読み替えてみるとわかりやすいです。企業がこれから目指している方向を見た時に、自分が貢献できるのか。また、その企業で仕事をすることで社会に貢献できるのか。自分自身が一緒に仕事をすることでワクワクして、世のため人のためになれるかを考えてみます。TAKEは受け取るです。これはそのままの意味で考えると、自分が得られること、自分が受け取ることです。その会社に就職すると得れるものです。GIVE・TAKEが善い悪いではありません。初めは、受け取ることが多くなります。学ばなければいけませんし、多少の依存はあります。しかし、ずっとTAKEや依存ではいけません。仕事を通して世のために貢献していくことが「仕事」です。自分が、この「仕事」ができるかどうかを具体的にイメージすることが「なぜこの企業で働きたいか」なのです。
 
why・how・whatで構成されるゴールデンサークルというフレームがあります。なぜそうするのか、どうやるのか、何をするのか。Apple社のプレゼンテーションを例にして説明されているものが多くあるので、ぜひ一読してみてください。このフレームで考えると、どこに就職したいがwhatです。しかし、大切なことはwhyから始めることです。「なぜ御社に就職したい」から「なぜ仕事をするのか」を起点に変えてみます。もしかしたら就職という選択ではないかもしれません。なぜ仕事をするのでしょうか。なぜ働くのでしょうか。いきなり志望動機から考えると、企業のWEBサイトやSNS、説明会で聞いた話をつなぎ合わせたものになってしまいます。それだけでは自分の言葉ではなくなってしまうのです。whyを自分の言葉にする。決して簡単なことではありませんが、まず考える起点を変えてみましょう。

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