MIRAI-ZINE

menu

2021/09/16

Win-Winに必要な「厳しさ」
筆者:石黒太一
 

優しさと厳しさ。お互いにとってWin-Winになることを考える時に、優しさだけでほんとうの意味で相手のことを思っているとは言えません。心理的安全性についても同じことが言えます。心理的安全性はほんわかした状態でも、ぬるい状態でもありません。どんな自分の考えや意見でも発言していいし、的確にフィードバックがされる状態のことです。時にはお互いにとって厳しいことを伝え合うことにもなりますが、この勇気と受け入れられることでWin-Winになります。
 
部活をやっていると、非常に厳しい監督、コーチがいます。指導が厳しかったり、メニューがきついものだったりすると、一瞬、嫌だなと思ってしまうこともあります。でも、厳しい練習があって試合で勝てるチームと、ぬるい練習でいつも負けっぱなしのチームならどちらに所属したいでしょうか。人の心理としては、楽な方を選びたいということはあります。とても自然なことです。その反面、試合で勝つときの喜びを味わいたい、達成感を得たいという欲求もあります。コーチはチームを勝たせたいしですし、メンバーの成長も支援したいということがあります。ほっておけば楽な方に流れていきますから、勝つための行動に変容させていくことも必要です。厳しさというのは優しさがあるから出てくるということです。
 
友達が良くない行動をしていたとします。本当に優しい人は厳しさを持って接するはずです。それが友達のためでもあり、自分のためでもあります。ここにWin-Loseはなく、大切な人だからこそ、お互いに良くなろうという行動をするのです。人間関係でもチームで何かをするときも、相手は損して、自分だけが得するということは、一瞬は良くても、長くは続かないです。パートナーシップという言葉をイメージするとわかりやすいです。自分のパートナーとWin-Winであることが、大切であることはなんとなくイメージがしやすいと思います。身近な人だったらわかるのですが、これが仕事をしたり、社会での関わりに置き換えると、つい忘れてしまうことがあります。
 
フリマアプリで目当てものがあって、値引きの交渉をする時に、相手にとっても得がなければ、その交渉は成立しません。相手にも出品している目的があります。何かお金が必要になって販売していることもあれば、捨てるよりも誰かに使ってもらったら方がいいと思っていることもあります。もし、お金が必要で売っているのであれば、極力値引かずに売りたいと思います。買い手だけの都合で考えても先にすみません。まずは、相手のことを知ることです。相手を知ると、自ずと自分のことも理解されます。コミュニケーションでは決めつけたり、押し付けたりしてもいけません。厳しくすることと相手に押し付けることは違います。相手のことを理解する中で、時には厳しさという勇気を持つことが大切です。Win-Winで考える。自分がLoseでも、相手がLoseでもなく、お互いにとってより良い選択をすることです。

TAG :

RECOMMEND