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2021/09/18

自ら何を積み重ねるかを選択する
筆者:石黒太一
 

積み重ねることについて考えてみます。私たちはこうなりたい、と思って今すぐになれるわけではありません。「仕事で使える英語力を身につけたい。」そう思ったとしても、この瞬間に英語力が急に身につくわけではありません。経験や体験を積み重ねて力になっていきます。時間をかけて繰り返し実践してきたからこそ、身につくこと、築かれていくことがあります。
 
石の上にも三年
ローマは一日にして成らず
千里の道も一歩より
人事を尽くして天命を待つ
塵も積もれば山となる
 
このように積み重ねること、時間を味方にしていくこと、コツコツと取り組んでいくことについて、先人はさまざまな表現で私たちに伝えてくれています。どれだけで大きな成果を出している人も、まずは1歩踏み出すことをしているし、その一歩を踏み出し続けることで、偉業につながっていきます。自分の強みを考えるときに、積み重ねてきたことや続けてきたことから導き出すとやりやすくなります。こうなりたい自分、こうありたい自分があったとすれば、今からコツコツと続けることで必ず近づいていきます。
 
5歳の自分と20歳の自分では考え方も、体格も、知識も大きく違います。人生の中でも子供から大人になっていく過程は成長を実感しやすい時期です。だからと言って20歳と35歳ではその成長のスピードに差があるとは思いません。身長が劇的に伸びる時期ではありませんから、目で見てわからないかもしれませんが、人としての成長はし続けています。ただし、一つ重要なのは、自分が行動しなければ成長は鈍化するということです。学校の勉強のように誰かがカリキュラムを組んでくれているわけでもありませんし、何もしなくてもなんとなくは過ごせてしまいます。例えば、プログラミングの知識は仕事で使っていれば必然と学ぶかもしれませんが、直接的な業務にたずさわっていないなら、身につけようとはしないものです。それでも、少しでもいいから学び続けていると、それはキャリアの中で点と点がつながってくる瞬間がきます。何もしなかった自分とコツコツと続けてきた自分とでは大きな差が生まれてきます。
 
会社や組織も同じことです。売上も積み重ねであって、創業1年目で100億円の売上というのは作れるものではありません。社風や文化、風土も積み上げていくものです。急に変わるものではありません。意図的な行動をしなければ何も変わっていかないですが、意思を持って積み重ねていくと変化はしていきます。組織も生き物ですから、変化するものです。
 
年輪のように私たちは経験を重ねています。何を重ねるのか、どれぐらい重ねるのかは人によって違います。木は自分の意思で太陽に当たるために場所を移動することはできません。しかし、私たちは意思を持ってどのような光を浴びたか、どうやって浴びるのかを選択することができます。太陽の光に当たらなかったから幹が細くなってしまった、というのは私たちにとっては言い訳になってしまいます。どのような自分になりたいのか、そのために何をしたいのかは自ら選択することで、何とでも変えることができます。

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