MIRAI-ZINE

menu

2021/09/20

互いの強みを活かせば、第3の選択が生まれる
筆者:石黒太一
 

他人と意見がぶつかることがあります。互いに意見を主張し、平行線が続く時にあなたならどうしますか。対立というと大袈裟ですが、普段の生活にも必ずあります。ランチに一緒に行こうとして、中華が食べたい人と和食が食べたい人がいると、ちょっとした対立が生まれます。多くの場合は、どちらかが主張を譲っておさまるのですが、いつも譲ってばかりで良いのでしょうか。
 
誰かと考えが合わない時というのはあります。空気を読んで自分の考えを引っ込めたり、多数決で少数の意見となり自分の考えを眠らせてしまうということが習慣化していないでしょうか。ディベートのように自分の考えを主張して、論破しましょうということではありません。お互いにとって良い結果を導くような第3の案を一緒に考える習慣が大切だと考えています。多数決で物事を決めるというのは、効率的であり、ある意味で合理的です。ただ、少数となった考えがダメなものとは決めつけることはできません。答えが明確な時代はそれでも良いかもしれません。しかし、考えや価値観の多様性を重視している現代で、大多数の意見だけで物事を決めていては、多様な価値観に対応することはできないのです。
 
第3の案を考えるときに、大切なことは目的に立ち戻ることです。自分たちが大切にしていることは何か、何のために議論をしているのか、この中心点からそれぞれの考えを見ていきます。対立する考えにもそれぞれ大切にしてることがあります。実はその核となる部分は同じということがほとんどです。明治維新に伴って旧幕府と新政府で内乱が起こりましたが、どちらも日本をよりよくしたいという思いは同じだったはずです。だからこそ、江戸城の無血開城という事実も残っています。議論はとても大切なことです。その上で、互いの強みや考えを活かした第3の案を導く工夫が必要です。
 
多様化すると考えはぶつかりやすくなります。今までは考えもしなかったような考えも出てきます。それは、ネガティブにとらえればめんどうなことかもしれません。しかし、ポジティブにとらえれば多角的な視点ですし、自分が思いもつかなかった考えに触れるチャンスです。今までは足し算だったものが多様な考えの掛け算の時代になっています。お互いの強みを知り、その強みから新しいアイデアを生み出していきたいです。

RECOMMEND