誰にも負けないような働きをしているか
京セラを創業し、KDDIの前身となる第二電電を成功させ、JALの再建に尽力をした稲盛和夫さんは、「仕事に心血を注ぎなさい」と言っています。世の中には様々なノウハウや手法がありますが、一生懸命に働くことに勝るものはありません。
一生懸命に働くとは、自分が関わる全ての人のために働くことです。お客様に喜んでいただくこと、部下がいればメンバーが成果を出せるために必死に努力をすることなどです。長い時間働くとか、休みことなく仕事をするということではありません。適当な仕事をしていたらお客様は離れていきます。一緒に働く仲間も協力はしてくれません。どれだけ才能や能力があったとしても、仕事に情熱を注ぐからこそ、結果につながってくるのです。
楽しく働きたい、やりがいを持って働きたいと考えることは大切なことです。そのためには無我夢中になっていることです。趣味でも寝食を忘れるという経験をしたことはないでしょうか。没頭して気づいたあっという間に時間が過ぎていたというものです。定時まであと1時間もあるな、早く仕事終わらないかなとカウントダウンしている状態は、没頭とは言いません。ノウハウとして、休憩を挟んだほうが生産性が高いとか、15分単位で区切って仕事をしたほうが効率的だというものもありますが、集中して仕事をしている人は、声をかけづらいぐらいのオーラを出しています。それぐらい自分が今に没頭することができているかを振り返ってみてください。
効率的に働くことが大切な仕事もあります。しかし、効率的にするためにものすごい情熱を持って改善活動を繰り返しています。製造現場で1秒でも改善できないかと、ストップウォッチをもって工程を見直したり、物の置き場を変えたりすることがあります。相当な情熱がないとできません。何気なく使っている時間を資産と考え、いかに成果を増やすかに心血を注いでいます。その結果として効率が上がるのです。普段生活をしていて、「1秒」の改善を意識したことがありますか。効率的に働くとは、1秒にまででこだわって、結果を最大化させるということです。
もし一生懸命に働くことがかっこ悪い、と思っているなら、それは違います。楽して稼ぐという広告をSNSなどで見かけますが、稼いでいる人は仕事に無我夢中になっています。やらされ感で仕事はしていません。自分がやりたくてやっている、仕事をしていることが楽しくてしかたがないという人が結果を出しています。いきなり無我夢中になりなさいと言っても、やらされている感覚になります。ですから、今、自分の目の前にある仕事に全力で向き合うことです。よそ見をしている暇はありません。目の前の仕事に集中すれば、必ず自分がワクワクすることが見つかります。情熱を注げるものは、すでに目の前にあります。誰にも負けないような働きがするかどうかは自分次第です。