やりがいのある仕事
やりがいを持って働きたいと思っていることは、私もあなたも同じ気持ちだと感じています。しかし、やりがいは目に見えてわかるものでもないですし、やりがいを買ってくるわけにもいきません。仕事を通してやりがいを得るためには、自分自身で獲得する以外にないのです。では、どうしたらやりがいを感じ、働くをたのしむことができるのでしょうか。
やりがいを得るためには、仕事に充実感を得ていることが必要です。充実しているということは、仕事で結果や成果を出していることです。でもまだスキルもないし、成果は大きく出せていないというときに、やりがいは感じられないのでしょうか。重要なことは「期待成果」を理解することです。小学生に大学入試問題を出しても時間をかけたり、ごく一部の方は答えを導き出すことができるかもしれませんが、多くは難しくて答えることができません。それは、まだ学習レベルでは、基礎を学んでいる段階であり、難題を解くことを期待されているわけではありません。仕事でも、役割やスキル、経験の段階があります。今期待されていることは何であるか。この理解を飛ばして、今の自分がやっていることにやりがいを感じないと言っていてもしかたがありません。今、自分は何を求められているのかを理解することが、充実感とやりがいにつながっていくのです。
道具やツールを揃えたから、できることが増えるとも限りません。大谷翔平選手と同じバットを使ったからといって、急にホームランを打てるようになるわけでもなく、同じグローブを使ったからといって二刀流になるわけでもありません。良い道具を使えば、仕事がしやすくなるということはありますが、どう使うか、そもそも使う人に実力が備わっているかが大切です。当たり前のことですが、できることをひとつひとつ増やすことです。それも、ただ、増やすのではなく、自分に期待されていることと、自分が実現したい姿の両方を考えて身につけることです。自発的な気持ちで取り組むか、言われて取り組むかでは身につくスピードも違います。自分の内側から湧いてくる「こうしたい」があるからこそ、実力がついていきます。憧れの野球選手が活躍する姿を見て、こうなりたいと強く思っているか、体力つくりのために地域の少年野球に入れられて、なんとなくやっているかでは、結果は明らかです。
やりがいや働きがいというものは、自分で手に入れるものです。環境や条件も多少ありますが、誰かが与えてくれるものではありません。あなたにやりがい与えます、という会話は聞いたことはありません。しかし、あなたの実力から考えるとやや難易度は高いが、チャレンジしてみますか?と言われたらどうでしょうか。期待されていることもわかりますし、自分が挑戦して結果を出さなければやりがいにはなりません。ここで大切なことは、挑戦する準備ができている人にチャンスが訪れるということです。挑戦できる準備とは、目の前のことに全力で取り組み、今を楽しむことです。やりがいを持っている人は、常にこの準備ができています。