自分の名前を伝えること
眼鏡店にいった時、対応してくれた方のネームプレートを見て、「もしネームプレートがなかったらどう思うのだろうか」と考えました。この方そのものが変わるわけでもないし、仕事内容が変わるわけでもないのに、ほんのちょっとした「信頼」が薄まるのかなと感じたのです。ネームプレートがあるから、この会社の人であることが証明されているし、何かあればこの方に聞けばいいんだということがわかります。自分は何者であるのかを何かしらの方法で自己開示することは、信頼関係を作る第一歩です。これがビジネスでは名刺交換から始まる理由ですね。最近はオンラインでの商談が多いですが、Zoomの名前をまず見ること多くありませんか。
名前を名乗らなくても、仕事を誠実にする人が多いことは日々感じています。しかし、自分の名前を名乗った瞬間に、立場・役割・経験に関係なく、目の前の仕事は自分の仕事になります。お客様はあなたが自分の担当であると考え、あなたに対して依頼をします。たとえ、今日入ったばかりの新人でもお客様にとってはあなたを頼るのです。私たちは1対多よりも1対1のコミュニケーションの方がより深く、つながりを持っていると感じます。美容院に行くとスタイリストさんを指名することがあります。技術や自分の髪質を知っているからということから、◯◯さんに次もお願いをしようと考えます。これが、担当制でもなく、誰も名乗らないのでカットしてくれる人の名前がわからない美容院だったどうでしょうか。不安ですし、まるで機械にカットされているようです。名前をお互いに知ることで、信頼が生まれます。
雑誌や新聞でも署名記事と言われる、書いた記者が誰かがわかるものは信頼と責任を感じます。雑誌新聞ですから元々信頼がありますが、そのなかで署名があるものは、強い思いを感じます。責任を持って発信することを表すのが名前なのです。SNSでも特に匿名のアカウントを使って、無責任なことを投稿したり、実名では決して言わないことを発信するものを見かけます。以前、飲食店やコンビニなどでいたずらした投稿を非公開で匿名で発信し、社会問題になったこともあります。実名のアカウントで発信できないことを、匿名だからといって発信してよいわけではありません。名乗らないことでの無責任さが現れています。
自分の言動には常に責任を持つことです。そして、自分の名前を開示することで、その気持ちはより一層強まります。仕事をする上では、名前を名乗ることで、この仕事は自分の仕事になります。目の前のお客様はあなたを信頼しています。まだ新人だから、会社がそう言っているからという理由はお客様には通じません。逃げることなく、最後までやり抜くことが大切です。発する言葉、行動で人を傷つけてはいけないですし、誰かに迷惑をかけるようなことをしてはいけません。
自己開示の第一歩は名前を名乗るのことです。そして、その自分の言葉や行動を大切に扱って、人を幸せにするために使いましょう。