結論が伝わっているか
結局何を言いたかったのか。結論がわからずに会話をすると、後味が悪くなります。結局伝えたいことはなんだったのか、何を目的にしているのか、などを感じてしまう、もしくは感じさせてしまう話し方をしていないかを自己チェックしておきたいものです。文学作品であれば余韻を残し、文脈を楽しめばいいのですが、仕事や面接などの場面においては結論を明確にすることです。
お菓子を目の前にして、「私はこのお菓子が欲しい」という自分の考えがあったとします。しかし、「今少しお腹が空いています」「私はこのお菓子をよく食べます」など婉曲した表現を使っていると、果たしてこの人はどうしたいんだろうかと感じますね。そんなの当たり前に思うかもしれませんが、面接などでこうなっていることが多々あるのです。
「私はサークルでの新人歓迎企画を頑張りました」というガクチカもその例です。ここで本人が伝えたいことを、目標人数を集客するために、企画と実行によって、結果として集客、入部目標人数を達成したということだと仮定します。目標達成のための取り組みについて何をしたのかを広げて話をしたい時に、手段をアピールすると、何のために?何がゴールだったの?という疑問が湧いてきます。時間がたっぷりあれば、ひとつづつ紐解きながらカウンセリングのように深掘りできますが、必ずしもそうとは限りません。短時間で自分のことを伝えることを求められる時もあります。仕事になれば上司や先輩に報告する際に、ポイントを絞って伝えなければいけないのです。結局何を伝えるのか、自分の中で明確にしておく必要があります。
医師の診断を受けたり、カウンセリングをうけるときは、症状や状況、感じていることなどの情報をいくつも出すことで結論に向かって収束させていきます。足が痛い時に、「私は骨折しています」という結論を述べても、検査したり触診して状況を見てみないとその痛みの原因はわかりません。診断をしてもらうためには状況を伝えたらいいのです。しかし、仕事では上司や先輩が診断してくれることはありません。あなたが考えていること、チャレンジしたいことについてOKなのかNGなのかを判断したり、どうしたら実現できるかのサポートはしてくれます。どうしたらいいですか?と聞くと、「で、どうしたいの?」と聞き返されます。自分の考え、結論を伝えることは仕事をしていく上ので基本です。
答えを相手に委ねることは、コーチングでは良いかもしれませんし、お客様自身に決めていていただく場合も大切かもしれません。しかし、面接では、委ねるのではなく、「自分がこの会社で一緒に仕事がしたい」という結論を明確に伝えることです。判断はもちろん相手に委ねますが、「私はこんな人なので、もしよかったら採用してください」では決まらないですね。コミュニケーションの場面では、自分は何を伝えたいのかをはっきりと持つことで、相手の行動も変わってきます。