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2021/10/28

数字だけじゃないから仕事は面白い
筆者:石黒太一
 


企業の経営理念やミッションは抽象的な言葉になっていることがほとんどです。一見、わからりづらいこともあります。しかし、その言葉から感じる感情ってありませんか。ワクワクする、高揚する、身が引き締まるなど言葉から受け取るものがあります。抽象的な表現だからこそ、人によって思い描くことや感じることが違うことはもちろん当然です。だからこそ、無限の可能性もあります。もし、経営理念が数値だけの目標だったとしたら、困難に直面したときに、なんのためにやっているのだろうかと壁を乗り越えることができなくなります。

その企業の存在意義、使命などを言語化しています。企業がどのように社会に貢献していくのか、なぜ事業を行っているのかを伝えています。理念に共感したお客様がサービスを利用していただき、そして、理念に共感して働く仲間が集まってきます。

スターバックス
「人々の心を豊かで活力あるものにするために—ひとりのお客様、
一杯のコーヒー、そしてひとつのコミュニティから」

京セラ
「全従業員の物心両面の幸福を追求すると同時に、
人類、社会の進歩発展に貢献すること。」

未来
「私達は誰もが共感し合い、
愛があふれる世界を創るためにビジネスを行う」


経営理念は絵に描いた餅になってしまうと、何も意味がありません。実現のためには、その会社で働く全員が参画することが大切です。ここで重要になってくるのが部署やチームのリーダーが抽象的な理念と具体的な手段のバランスを取りながら、リードしていくことです。自分たちが任せられている持ち場で、ただ数字をこなしていくのではなく、在りたい姿とつなげて取り組んでいくことです。難しいことに感じますが、まずは企業理念やミッションに自分はどう共感しているのかを言語化することからだと考えています。それも腹の底から湧き出る思いとつながっているかです。理念をただ復唱しているだけでは、文字をなぞっているだけですからね。

目の前の数字や課題をどうやって乗り越えていくのかで、常に頭はいっぱいです。理念よりもテクニックや手段に関心が向くことも当然です。いかに数字を上げるか、いかに目標をクリアするかになります。大切なことです。しかし、具体的なことだけに目を向けるとベクトルがズレていくこともあります。特に大きな壁にぶつかったり、困難があると小手先で考えてしまうようになります。ここでもう一度自分たちが実現したい世界、貢献していくことについて考えてみてほしいのです。この行動は自分たちの理念やミッションの実現に近づくものだろうか。もし、違和感があったり、ワクワクしないのであれば、何かが違うのです。そのためにも常に中心点においておく必要があります。

数字だけでは表せないこともあります。数字は事実であって、揺るがないものです。しかし、私たちの心の中には、1+1=2ではないこともたくさんあります。頭では計算式になっているけど、そのとおりにならないこともあります。だからこそ、おもしろいし、悔しい気持ちにもなります。掴みどころのないこともあります。常に具体と抽象を行ったり来たりするからこそ、仕事は面白いのです。

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