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2021/11/2

役割を手放す
筆者:石黒太一
 

本当は望んでいないのに、役割だからしかたがないと思っていることありませんか。生活をしていると、様々な役割を持っています。学生、就活生、社会人、先輩、上司、パパ、ママなど人それぞれに役割というお面を付けて生きています。学生なんて役割ではないでしょと思うかもしれませんが、「学生なんだから勉強しなさい」と「〇〇なんだから」という枕詞になっているのであれば十分に役割です。その役割が自分のミッションや目的にマッチしているのならよいのですが、自分を制限している役割もあります。「学生なんだから」してはいけないという文脈で特に制限がでてきます。法律に反したり、犯罪を犯したり、人を傷つけること以外が学生だからしてはいけないというものありません。自分自身が役割に生きるあまり、制限をしていることがたくさんあります。
 
「先輩だから〇〇をしなければいけない。」このとき、自分が先輩だったとすると、先輩らしくしなければいけない、弱音は吐いてはいけないなど自分の中にある理想の先輩像をイメージしながら行動を考えます。それは、同じように、相手に対しても自分の中にある理想像をベースに期待をぶつけます。「あの人は先輩なのに〇〇」と感じる場合は、自分の理想と違うからそう思うのです。理想の姿があることはとても大切なことです。モデリングをすることで、自分を引き上げていくことにもなります。その反面、「しなければいけない」が窮屈なのであれば、手放すことも肝心です。役割に生きてしまうと本当の自分を抑えることになり、役割と自分が分離してしまいます。自分なのに、自分じゃない感覚です。
 
本当の自分と役割の自分がいたときに、分かれていることが必ずしも悪いとは思いません。時には、役割の自分がいるから力を発揮することができます。大切なことは、本当の自分を常に持ち続けることです。今自分が言っていることは、どの自分が言ってるのかを客観的に見ることができるかどうかです。客観的に見ることができれば、改善もできます。場合によっては手放すこともできます。本当は自分はこちらを大切にしているんだと気づけることで、窮屈になっている自分を開放することもできます。
 
努力したり、行動をしている人ほど、役割に縛られていくと感じています。自分を抑えて、役割を優先する時もあるかもしれません。しかし、もしそれが自分にとって違和感があるのであれば、役割を手放すことです。役割を手放すと言っても放棄するのとは違います。自分の心の声に耳を傾けるとヒントがあります。「先輩なんだから」という期待の本質はどこにあるでしょうか。自分はどうしたいと思っているのでしょうか。自分が持っている先輩像を一度捨てて、自分らしい先輩像とは何かを考えてみませんか。役割の自分と本当の自分が一つになったときに、高いパフォーマスを発揮するようになります。

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