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2021/11/07

自分にとっての就職する目的
筆者:石黒太一
 

「就職する」とは何でしょうか。学校を卒業したら次のステップとして就職することが当たり前のように存在し、あまり意味も考えずに流れで突入することがあります。面接や書類選考を通して、就職することに向き合うことがありますが、それもあまり時間がなく「それらしい答え」で止まってしまうことも多くあります。その状態のまま就職して、仕事での壁にぶつかった時に、「就職とは何だろうか」とまた思い悩むことになります。
 
富国強兵や高度経済成長など社会的なテーマが明確だった時代は、もっとわかりやすかったのでしょうが、今は違います。学生の間に起業して、卒業も事業を続けることもあれば、創業数年のスタートアップにインターン時期から関わってそのまま就職するということだってあります。必ずしも上場企業や大手企業だけを選択肢にしているわけではなくなっています。安定した人生を送るために就職すると言っても、その方法は多様化していますし、安定と企業の規模が直結しなくなっていることもあります。
 
どこで働くかではなく、何を目的に働くのかが大切です。大学選びでどの大学に行くかを最優先して、その大学のあらゆる学部を受験するということがあります。しかし、法律を学びたいのに、そこしか合格しなかったからという理由で経済学部に行く人がいます。その学校ならどこでもいいという発想は就職では通用しません。例えば、大手企業のグループ会社だから・子会社だからということで就職を選択することがあります。それも選択ですから否定するものではありませんが、どこで働くかだけを考えると、会社が親会社の傘下から離れることになったらその組織に所属している目的を失ってしまいます。それよりも、自分にとっての働く目的を持つことで環境の変化にも対応することができます。
 
就職活動のテクニックをどれだけ磨いても、自分自身を磨いて、仕事ができる人になっていなければ、就職活動で燃え尽きてしまいます。面接の達人になりたいわけでもないし、就職したら着なくなるようなリクルートスーツを持っていても仕方ありません。適性検査のパターンを記憶したところで、仕事では何の役にも立ちません。社会に出るということは、自分が仕事をしてその対価として給与をもらうことになります。仕事をしなければ対価はもらえません。果たして自分がどれだけ貢献できるのでしょうか。そうやって考えると自分は誰にどのように役に立つことで、対価をもらうのでしょうか。給料は会社が支払いの手続きをしますが、お客様に喜んでいただいた結果が売上であり、その中から給料が支払われます。どのように社会に貢献したいでしょうか。
 
就職する目的を考えようとすると、禅問答用のようになってしまうこともあります。自分自身も高い志をもって就職をしたのかと言われば全くそうではありません。大手企業、就職人気ランキング上位、知り合いの先輩も就職しているなど自分のものさしなど一切ない就職だったことを覚えています。一般的な就職までの取り組みを否定はしませんが、少しでも自分自身の中で就職する意味、目的を芽生える人が増えることを応援していきたいです。一度きりの人生ですから自分に正直に生きてみませんか。

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