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2021/11/14

完璧な人はいない
筆者:石黒太一
 

完璧な自分を演じることを手放した時に、本当の自分に出会うことができます。いつもテストでは100点を取らないといけない、いつも求められることを完璧にやらないといけない、など努力をすることは大切なことですが、それが自分を押し殺しているのであれば、一度冷静になって見直すことも必要です。完璧を自分に求めすぎて、弱みを見せることさえできなくなると、毎日が苦しくなります。
 
先輩も上司も人間です。嘆くことだってあるし、できないこともあります。それは自分自身にとっても同じです。役割や立場で自分を作ってしまうと、自分の中でのプレッシャーが本来の自分を隠してしまいます。「人間くさい」という表現があります。この言葉からイメージするのは、完璧ではなく、時々失敗して、たまにはおっちょこちょいな様子です。または、ドライというよりも、喜怒哀楽があって、時にはミスをして凹んでいるイメージもあります。相手も自分と同じなんだなと思う時、相手と自分とのつながりを感じることがあります。プロスポーツ選手が試合や練習時の厳しさと違い、プライベートでケーキを嬉しそうに食べている様子を見ると身近に感じるのと同じです。
 
四六時中、神経を尖らせている生き方はなかなかできるものではありません。怠けたい時も、だらだらしたい時もあります。完璧に見える人も、間違えることもあれば、苦手なこともあります。その弱みも含めて自分であると受け入れると、もっと自分らしく生きることができます。自分を必要以上に大きく見せることや、役割だからこうしなければいけないよりも、等身大の自分を大切にすることです。しかし、自分らしくあるというのもそれなりに大変なことでもあります。弱みを見せることで、馬鹿にされたりしないだろうか、尊重されなくなるのではないだろうかという恐れが伴います。手放してみると、それらはただの妄想だったことに気づくのですが、そこまでの道のりが長いのです。手放すことができないのもそのためです。
 
思い悩むのは自分だけではありません。その証拠に書店に行けば、人の悩みに対する本がたくさんあります。みんな悩むことは同じです。だったら自分の弱さ、悩みをもっと表に出すことで、今以上に多くの人とつながることができますし、身近な人のために自分の経験を役立てることができます。完璧な自分を維持することでストレスを抱えているのであれば、ちょっとだけ完璧を横に置いておいて、自分らしい自分に戻ってみませんか。

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