適性検査の真実
適性検査を必要以上に怖がる必要ない。適性検査を受ける、採用選考で見る、営業担当として販売する、それぞれの立場を私は経験してきて思うことです。適性検査の対策本や模擬テストなどもありますが、短期的に対策をしたとしても、自分が大きく変わる事はありません。多少コツを理解する意味での準備はあってもよいかもしれませんが、入試のような準備とは性質が異なります。
選考の場面で出てくるから、構えるのですが、実は学校や塾でも適性検査を活用していることがあります。学力試験とは別に、どのような学習方法だと更に学力向上ができるか、どのようなコミュニケーションスタイルがよりその人らしさを引き出せるのかを先生たちも知りたいです。同じように職場での人材育成や組織開発という狙いでも活用されます。では、なぜ適性検査が採用選考で活用されるのかです。一番の理由は、「活躍する方に入社してほしい」があります。当たり前のことですが、実際に仕事をしているわけではないので、根拠がありません。よくある方法としては、「社内でパファーマンスの高い人の傾向や特徴に近い人が活躍しやすいのではないか」という仮説のもと、適性検査を活用するものです。せっかくのご縁ですから、お互いの幸せになるためにも活躍をしてほしいです。ただし、ここには落とし穴もあります。あくまでも傾向であること、そして同じタイプの人だけが集まった組織は、パファーマンスが低下するということです。
適性検査ですべてを理解することはできません。100人100通りの強み、魅力があります。いくら活躍している社員と同じ傾向だからといって、再現性があるとはいいきれません。また、同じ傾向の人だけを集めても、そこに組織としての多様性がなければ、イノベーションは生まれてこないのです。サッカーで全員が攻めていて、キーパーすらいない状態になれば、急にボールが相手に移ったときに守ることが出来ません。さらには、完璧な適性検査はありません。世の中には様々な適性検査やサーベイがあります。就活=SPIというわけではありません。だからこそ、どれだけ対策をしても対策のしようがないのです。
無数にある中で、自己理解につながるものもあります。一番手軽で有名なものは「ストレングスファインダー」があります。同名の書籍を購入すると、診断を受ける事ができます。自分強み(資質)が5つ診断されてきますので、自己理解や身近な人からこの資質から見える自分について聞いてみるということもできます。あくまでも見えてくるのは自分の”ある側面”かもしれませんが、「自分はこういうことも強みなんだ」と理解すると、自己分析のきっかけにもなります。
自分のことを理解するのでも大変なのに、他人に自分を理解してもらうことはもっと大変です。だからこそ、自分を偽るのではなく、ありのままの自分を大切にすることです。本当の自分の強みを活かすことができる場所は必ずあります。必要以上に怖がらなくても大丈夫です。