MIRAI-ZINE

menu

2021/11/24

「おたがいさま」を大切にする
筆者:石黒太一
 

不自由なく日常の生活できるのは、見えないところで支えてくれる人がいるからです。縁の下の力持ちという言葉あるように、生活や仕事でもサポートがあるから成り立っています。ひとり暮らしをして、時々実家に帰ると家族のありがたさを感じることがあります。温かい食事を作ってもらえる。洗濯もしてもらえる。普段から当たり前になっていることには気づきにくいものですが、それを自分がやる立場になると、どれだけ支えてもらっていたかが分かります。
 
スタートアップなど少人数で何もかも自分たちでやらないといけないときは、役割分担はあるものの、何でもやらないといけません。マンションの一室を借りて事業を始めるのであれば、トイレ掃除も郵便物の仕分けも、年末調整だって自分たちでやっていかないといけません。これが事業の成長とともに、人も増え、貸しビルに移転していくと、トイレ掃除はビルの管理会社がやってくれたり、郵便物も担当を決めて分業化したり、年末調整は有料サービスを使って簡易化するなど、効率化・分業化していきます。事業成長のためにリソースをどこに集中させていくのかという戦略は必要ですから、当然のことです。しかし、自分の代わりに誰かがやってくれていることを忘れてはいけません。いつもトイレがきれいなのは当たり前ではないですし、トイレットペーパーが自動で充填されるわけではありません。普段から気持ちよく生活ができている、仕事ができているのは、普段は見えないところでのサポートがあるからです。
 
社会人になってすぐは「新人」と言われ、時に下積みのようなこともあります。しかし、年次が上がっていき、後輩や部下ができるようになると、新人時代の謙虚さを忘れてしまうことがあります。大切なことは、どんな仕事も1人でできるものはないということです。社内でも支えあって、成り立っていますし、取引先の方もより良くしたいと思って協力をしてくれています。縁の下の力持ちとは言いますが、時と場合によってお互いが「縁の下の力持ち」であるということもあります。決しておごらず、感謝と謙虚さを常に持ち続けたいです。
 
台風や自然災害があると、電気や水道、道路や鉄道などのインフラが被害を受けることがあります。「何だよ停電かよ」と思うこともあるかもしれませんが、その陰で、昼夜問わず復旧のために力を注いでくれている人がいます。目で見えるものだけを見ていると、不満や愚痴がでてきますが、その裏側や当事者として考えた時、そこに感謝の気持ちが湧いてきます。どんな時も「おたがいさま」を大切にすると、世のため人のために活躍できる人になっていけます。

TAG :

RECOMMEND