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2021/11/27

心の扉を開く
筆者:石黒太一
 

私たちの気持ちの中には、本音と建前があります。本当はこうしたいと思っているが、体裁や見え方を気にしたり、相手の気持ちを考えて、表向きな対応をしてしまいます。就職での面接も、本音と建前の綱引きのようなものだと思っています。面接だからということで作り込んだ自分がいて、ちょっとだけそれはとは違う本当の自分もいます。社会との関わりの中で、全て本音をさらけ出すことばかりではないですが、建前だけで人と接すると、後々しんどくなるということもあります。上手な自己開示が結果的に自分を楽にしてくれます。
 
本音で話すことに抵抗があるのは、相手を傷つけてしまうのではないか、自分が価値のない人に見られるのではないかなど、何かしらの恐れがあります。例えば、突然の営業電話があったとします。顔も見えないし、知らない人だからということで、断ることに抵抗は感じにくいです。しかし、これが自分のよく知っている人から連絡があって、同じ内容だったとしたら、断りにくいですよね。本音は「興味ないんだけど」は変わりませんが、知っている人ということもあり、建前で「一度家族とも話してみますね」と返してしまいます。ここで大切なことは、建前で対応しても結論が変わることがなければ、相手に不要な期待をさせてしまうということです。その場をやり過ごすだけの建前はお互いにとっても意味のないものになってしまいます。面接でも建前だけで進んでいって入社しても、辛くなるのは自分です。ある程度の関係性ができてきたら本音を大切にしていくことです。
 
転職で失敗するのは、前職と同じ悩みで持ってしまうということです。ベンチャー気質で新しいことにどんどんチャレンジしている風土が合わずに転職をしたのに、また同じような風土の会社で働いてもいずれ合わなくなります。転職理由があまりに本音丸出しだと、ネガティブに見えることもあるので注意も必要ですが、選考過程の中で相互理解を深め、自分が大切にしていることを伝えなければいけません。なんでも頑張ります!という姿勢は重要です。しかし、建前だけで自分をよく見せようとすると途中で息切れをしてしまいます。
 
相手の本音を引き出すことは苦労します。そのためにまずは、自分自身が自己開示をすることから始める必要があります。自分は建前なのに、相手に本音を期待してもなかなか難しいものです。新年度になると、自分のプロフィールを書いた自己紹介シートをとにかく配ることをしている、飛び込み営業を見かけたことがあります。複数の狙いがあると思いますが、これも一つの自己開示です。自分も相手も心の扉を開くことできたらやっと本音が少しつづ出てくるものです。お酒を飲んだり食事をしていると、この扉も開きやすくなります。親睦を深めるというときに、飲み会という手段を使うのもこのためですね。お互いを理解するという意味で、本音と向き合うことが大切なポイントです。

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