目の前の仕事にどっぷり浸かってみる
自分のキャリアについて考える時に、今やっている仕事が「自分にとってやりたいこと」とは違うということがあります。厳密には、「自分にとってやりたいこととは違うように感じている」という表現の方が近いかもしれません。就職して数年はこのように感じることが私自身もあったように思いますし、それによって転職という手段を使ったこともあります。果たしてこのままで自分のキャリアが大丈なのだろうか、この仕事をずっとするのだろうかと不安になるときがあります。これは1人の社会人として伝えたいのですが、必ずその経験は活かされます。それも、目の前の仕事に全力で向き合っていれば、点と点がつながった時に、すごい力になります。逆に、目の前のことを疎かにしていると、「あの時やっておけばよかった」と思ってしまいます。やや精神論に聞こえるかもしれませんが、全力で取り組んだことは必ず自分のものになっています。
計画的偶発性理論という考え方があります。キャリアのターニングポイントは偶然の出来事によるというもので、たまたま配属された仕事がキャリアに大きく影響したり、偶然アサインされたプロジェクトが人生を変えるきっかけになったりするということがあります。偶然をチャンスに変えるためには5つの行動特性があると言われます。好奇心、持続性、楽観性、柔軟性、冒険心の5つです。偶然の機会をいかに活かしていこうとするかによって、自らチャンス変えることが出来ます。自分の大切にしたいことにこだわることがダメとは思いませんが、好奇心をもってチャレンジしていくことでもっと大切なことに気づくことが出来ます。
仕事が向いている向いていないというのは、正直わかりません。誰でも無限の可能性があります。得意不得意はあるかもしれませんが、やってみないとわからないものです。最初から自分の可能性を閉じる必要はありません。必要以上に考えすぎて、今を疎かにするのではなく、今置かれた場所で何ができるのか、どうしたら楽しくできるのかを考えるとあとから結果もついてきますし、これからのキャリアのきっかけになります。どの仕事も非常に深いものばかりです。知れば知るほど、奥が深くてびっくりします。あまり表面に見えることだけで考えるのではなく、どっぷり浸かってみると、どんどんおもしろくなっていきます。