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2021/12/18

人生100年時代だからこそ必要な営業力
筆者:石黒太一
 

「営業すること」は誰にとっても必須のスキルです。営業なんて古いんじゃないかと思うかもしれませんが、これから100歳まで生きていく時代なのであれば、必ず必要になります。営業というとスーツを着て、提案書を持ってお客様のところにいくイメージをするかもしれませんが、それも一つの形です。ここでお伝えしたいのは、「自分という商品を売ること」の大切さです。商品やサービスを販売することも営業ですが、それらはお客様の困り事を解決する手段であって、それだけを目的にすると、人でなくてもいいということにもなります。ただ安く買いたいとか、ものが欲しいだけであれば、Googleで検索して商品を買えばいいのです。購入する人が自分の困っていること、欲しいことがわかっているのなら、自分で探して買った方が早いです。しかし、自分が困っているのはどんな課題があって、そのための解決手段がわからないから、誰かに相談してその人から買うのです。つまり、困っていることに対するお役立ちをすることが、営業をすることの本質なのです。
 
営業やセールスは売り込みをする、いらないものを売りつけるといったイメージがあるとしたら大きな誤解があると思います。ジャパネットさんのテレビ番組を見ていると、エアコンやテレビ、炊飯器などを販売していますが、つい欲しくなることがあります。何も売り込まれているわけでなく、自分の生活が豊かになりそう、今困っていることが解決されそうという気持ちになってくるのです。ジャパネットさんはインフォマーシャルという映像を通して、セールスを行なっていますが、内容を分解すれば、非常に王道なフレームになっていることがあります。一見テクニックに見えることもありますが、人の心理を理解していること、困り事にフォーカスしていることがよくわかります。
 
【典型的な例】
初めに、見ている人の困り事に触れていきます。「こんなことで困っていませんか」「掃除機の紙パック交換がわずらしいと思ったことありませんか」「エアコンのフィルター掃除でお悩みがありませんか」など、相手が嫌だな、不快だなと思っていることに共感を持って向き合っていきます。そうそう、そうなんだよねと感じ始めると、自分の困り事が気になってきます。
次に、その解決できる方法があることが紹介されます。実際に解決されている様子や、解決することに確信を持てるような構造や根拠、技術的なものを提示されます。そして、さらに信頼を深めるために調査結果や公的認証や表彰、販売実績などの客観的な根拠も示されます。ここまでくると本当に自分の悩み事を解決してくれそうと感じ始めます。
これって売り手の言ってることでしょう、と思う方のために、実際に使ったユーザーさんの声が出てきます。愛用してこんなことがよかった、自分も最初は半信半疑だったけど使ってみたらもう手放せなくなりました、などの実際の感想を聞くと確信が深まります。
最後に大切な価格のお話です。非常に価値を感じていますので、すごく高いのかなと思っていると、値頃な価格が出てきて、グッと心が掴まれます。さらに、送料も無料になったり、今注文すると、オプションも無料になったり、10,000円で販売しているフライパンがついてくるといった最後の最後の決め手が提示されます。そして、一言「今、ご注文のお電話が殺到して繋がりにくくなっています。」と言われると、スマホを握って電話をかけたくなります。
 
・困っていることはあるが、無駄なものにお金は使いたくない。
・そもそも信用できない人からものは買いたくない。
・他でお願いしても同じなんでしょう。
何かを買うときはこうやって考えるのは当然のことで、自分自身もそう思います。これは普段のセールスに限らず、もしあなたが将来独立をして個人でビジネスをするなら、さらに大切なことです。自然と仕事が回ってくるとか、誰かが自分を探しくれるということはなく、自らをセールスしなければいけません。企業などの看板や信頼ではなく、自分が提供できる価値で仕事をしていくことになります。それは、60歳を過ぎてから残り40年をどうしようと考えるのではなく、30代、40代から築いていくことも必要です。営業やセールスといった職種に就いていればそのイメージもしやすいかもしれませんが、バックオフィスやエンジニアなどの仕事においても意識するものになります。相手の困り事を解決すること、それができる自分であることを伝えていくことを磨き続け、プロフェッショナルであり続けたいものです。

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