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2021/12/24

常識を疑ってみる
筆者:石黒太一
 

「そんなの当たり前だ」と思うことがあれば、一度その当たり前、常識を疑ってみるとアイデアが広がってきます。自分の中では常識だと思っていたことが、視野を広げてみたら世の中では常識ではなかったということがあります。風習や伝統など、意図を持って大切にされてきたことなどもありますので、自分が見ていた常識がすべて悪いわけではありません。あくまでも自分の視野を広げてみたり、行き詰まっているアイデアを飛躍させるためのヒントとして「常識を疑ってみる」を推奨します。
 
多数=常識と思ってしまうことがあります。価値観の多様化するなかで、多くの人が行っている行動が必ずしも常識とは限りません。名古屋の飲食店で定食を頼むと、赤だしが出てくる可能性が高くなります。ずっと同じエリアにいると、それが当たり前のように思ってしまいますが、地域によって全くことなります。東京で天丼を頼むと、真っ黒な天ぷら出てきて人によっては驚くことがあります。それだけしか知らないことが自分の中での常識になっているということです。人間関係でも、自分にとっては当たり前に思っていることが、相手にとっては「はじめまして」ということもあります。また、過去の価値観や常識で物事を見ていると、時代の変化とともに常識でなくなっていることがよくあります。思い込みが時には人を傷つけてしまうことにもなりかねません。
 
目的は何か、そこにある本質は何かをよく考えないと、他人の常識にとらわれてしまうことにもあります。就職活動をスタートするならインターンシップに参加しないといけないとよく言われますが、なぜ企業がインターンシップを大学3年生の夏からやっているかということを考えると本質が見えてきます。リクナビ、マイナビなどのエントリースタート時期が様々な事情で3年生の3月まで待つ必要があり、その前段階で接点を持っておきたいということから、どんどん前倒しになっていったという歴史もあります。海外のような卒業後にインターンで働きながら就職先を決めていくものとは違い、実質的な採用広報手段になっています。このように考えた時に、大学3年生がインターンシップに参加する目的は何かを自分で考えておかないと、エントリーシートの合否で一喜一憂してしまいます。
 
事実と解釈が複雑に絡み合っていると、常識のような非常識があったり、他人の常識に惑わされてしまうということがあります。当たり前を当たり前で終わらせずに、なぜそれをやるのかを冷静に考える習慣が大切です。対外的な体裁がよいことが常識でもありませんから、自分の目で本質を見極める力を磨いていきたいものです。

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