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2021/12/25

気づく力を養う
筆者:石黒太一
 

気づく力を養いたければ、実践あるのみというお話です。「気づき」は普段からもよくあると思いますし、特別なことでもないかもしれません。しかし、本当に行動まで変容する気づきは決して多くはありません。同じ本を読んでも気づきのある人と、ない人がいます。同じ本を何度も読んでいると毎回気づきが異なっていたりします。この違いを考えることで、気づく力の養い方が見えてきます。
 
土壌が整っていなければ、どれだけ情報に触れたり、刺激があったとしても、気づきを受け取ることはできません。呪術廻戦が好きな人であれば、映画が始まるという情報をいち早くキャッチして、予約という行動をします。しかし、全く興味がなければ、Twitterで映画情報が流れてきたとしても何もキャッチアップもしませんし、予約して見に行こうともしません。気づくためには、気づくための土壌がないといけないのです。仕事で関心のある分野があれば、本を読んだり人に会ったり、Voicyの専門チャンネルを聞いてみたりして、土壌を耕します。乾燥した土の上に植物の種を蒔いても、芽が出ることはありません。適切な水分と温度、空気の発芽に必要な3つの条件を叶えるために耕すことが必要です。私たちの心も常にフカフカの良い土壌にしておくことで、情報などを受け取ったときに、気づきの芽を出すことができます。
 
ただし、インプットだけで頭でっかちになっていると土壌も適切な状態にはなれません。普段の実践がさらに必要です。自動車の免許をとったばかりの時は、まだ運転にも慣れていないですし、緊張でこわばっていると目の前で見ている情報が少なかったりします。信号や前方の車、標識など運転で最低限必要な情報を手に入れることで精一杯です。これが何度も運転をするようになると、周囲のことも見え始めます。よそ見をしてはいけませんが、流れてくる情報の中で、本当に必要なもの、新しい発見などが目に入ってくるようになります。実践によって気づく力はより研ぎ澄まされます。
 
気づいただけでは意味がありません。気づきからの行動変容につながっていることが本当の意味での気づきです。人前で話をするときに、「あー」「えー」とつい言ってしまっている自分に気づいたのであれば、そのような言葉を使わないよう努力をします。本を読んでいて、グッと刺さる一文に出会ったとき、今から自分の行動を変えるという決意をします。気づくだけで終わらせるのではなく、行動までつなげてやっと「気づき」になります。気づきのためには、インプットと実践が必ずセットです。適切なインプットと実践することを繰り返すことで、気づく力はどんどん養われていきます。「やってみたらわかる」と言われることもありますが、やってみると気づくことがたくさんあります。やり続けると気づくポイントが変わっていきます。これが気づく力が養われている状態です。気づく力を養うためには、実践あるのみです。

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